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書評<蘇るスナイパー>

かつてのベトナム反戦運動の闘士たちが、次々と狙撃される事件が発生する。捜査線上に浮かんだのは、ベトナム戦争時の狙撃の名手。状況証拠や動機が彼の反抗であることを匂わせるが、彼もまた自殺とされる状況で発見される。事件は落着するに見えたが、FBI捜査官ニック・メンフィスは不審を抱き、親友のボブ・リー・スワガーに現場検証を依頼した。ボブは、正確過ぎるその狙撃は、自殺した狙撃手には不可能であるという結論をニックに提示。ニックは再捜査を開始するが、ニックに有象無象の圧力がかかりはじめる。

日本のヤクザと日本刀で斬り合ったり、娘を助けたりと、少々変化球が続いたスワガー・サーガだが、本作は狙撃とライフルをテーマに戻した”復活”作である。完璧すぎる射撃のトリックを解いた後も、親友ニックを助けるために敵アジトに侵入、銃撃戦を繰り広げるなど大活劇を繰り広げる。
しかし、本作で印象に残るのはニックとFBIの戦いの方だ。今回の事件の黒幕に、ニックは身に覚えのないスキャンダル報道を仕掛けられ、窮地に陥る。ニックを助けようと主張する若い捜査官に、ベテラン捜査官がマスコミがなんたるものか語る場面、ニックがロビイストの”脅し”にも屈しない場面は、何度も読み直してしまう名シーンだ。スワガー・サーガの見事な復活である。

初版2010/12 扶桑社/扶桑社ミステリー

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