書評<珍獣の医学>
犬と猫以外のペットを”エキゾチック・ペット”と呼ぶそうだ。ウサギやブタといったほ乳類、ヘビやカメレオンなど爬虫類、果てはカエルの珍種など、その幅は非常に広い。だが、獣医学はそれにまったく追いついておらず、臨床医が創意と工夫でエキゾチック・ペットの怪我や病気に対応しているのが現状である。本書はそうしたエキゾチック・ペットを自らも愛し、獣医師である著者が、それぞれの動物の典型的な症状、あるいは世にも珍しい症状など、知られざるエキゾチック・ペットの臨床現場を紹介していく。
多くの人には縁遠いエキゾチック・ペットたち(自分はエキゾチック・ペットという言葉さえ知らなかった)だが、それらがどんな病気にかかり、怪我をするのかになると、さらに知ることができない。それを知ることができるだけでも興味深いし、日本の狭い住環境で家畜化されていない動物がどんな問題を抱えるかもまた興味深い。もちろん、獣医師である著者の奮闘ぶりも目を見張るものがある。ビジネス抜きでないと、なかなか出来ない事例がたくさん掲載されている。
とりあえず、自分にはエキゾチック・ペットの飼育は出来そうにもない、ということがよく分かりました。
初版2010/12 扶桑社/ソフトカバー
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