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書評<番狂わせ 警視庁警備部特殊車輌二課>

東京湾岸に警視庁特車二課、通称レイバー隊が設立されて10年になんなんとする時間が経った。レイバーが持てはやされた時代は過ぎ去り、部隊の存在すら危ぶまれている時代。
そんな中、元高校サッカー部の隊員に潜入捜査の命令が下る。プレミアリーグのビッグクラブが来日して親善試合が行われるのだが、その試合中のテロが予告されたのだ。特車二課が創設されたころを思い出す、警備部の権限を越えた捜査活動は身を結ぶのか?予告のあった試合日は刻一刻とせまる。

押井カントクフリークには待望の「機動警察パトレイバー」絡みの新作ノベル。だが、その実体は”パトレイバー完全否定ノベル”といっていい。これまでのカントクの発言やエッセイから予測は出来たものの、「レイバーが存在する世界観」そのものが否定されるような特車二課の扱いはどうにも納得できないものがある。
作品そのものはカントクのノベルにありがちな”ウンチク”小説であり、今回のテーマはサッカーである。しかしサッカーというメジャースポーツにあっては、自分レベルのにわかサッカーでも知っているエピソード、あるいは戦術論ばかりであり、教養にもまったくならない。
サッカーを語りたいのであれば、何もパトレイバーをお題に持ってくることもなかろう。疑問ばかりが残る作品である。

初版2011/01 角川春樹事務所/ソフトカバー

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