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2011.03.07

書評<パチンコがアニメだらけになった理由(わけ) >

パチンコ台とアニメがタイアップするようになってずいぶん経つ。「北斗の拳」や「ヤマト」などの古いアニメ、あるいはエヴァンゲリオンまでならぎりぎり、そのファンを新規顧客として呼び込むとか、一般的なマーケティング論で語ることができる。だが、本放映からまだ数年しか経っていないアニメ、あるいは、さほどヒットしていないマイナー作品までもパチンコ店とタイアップしている。アクエリオンの「あなたと合体したい!」というCMが真昼間から流れて、眉をひそめたのは記憶に新しい。このような不自然なタイアップが見られるのはなぜか?著者は閉鎖的なパチンコ業界に多くの取材拒否にあいながら、その謎にせまっていく。

アニメファンが常々疑問に抱いていた「サムライチャンプルーがパチンコに?誰得?」といった思いが氷解する、見事なルポルタージュである。著者はまず「CRエヴァンゲリオン」のヒットの要因をパチンコ情報誌の専門家に聞く。そうすると意外なことに、ヒットはエヴァにあったのではなく、パチンコ台のゲーム性そのものが面白かったという、考えてみれば当たり前の事実に突き当たる。それならば、なおさらマイナーアニメとのタイアップの必要性が疑われる。公式にはパチンコ業界もアニメ業界も取材拒否だったが、著者は人間関係を辿って取材を進めていく。そこから浮かび上がってきたのは、関係団体に多数の警察関係の天下りが関わっているパチンコ業界の特殊性と、ビジネスモデルが破綻しつつあるアニメ業界の実態である。取材先のいくつかが匿名なのは残念だが、今のアニメの製作資金がどこから出てきたか、知りえるだけでも興味深い。

初版2011/01 洋泉社/ソフトカバー

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