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書評<本当の戦車の戦い方―陸上自衛隊の最前線を描く >

冷戦時代の陸自の最前線である、北海道の道北に駐屯する戦車連隊で隊長まで務めた著者が、陸自の機甲戦について綴ったもの。実際に運用した用兵側から見た90式戦車の実相。その後継となる10式戦車に期待するもの。2編の架空戦記を挟んでそれを記し、国防と陸自の今後についての著者の見解を明かす。

その存在がまことしやかにささやかれる、90式戦車の目標自動追尾装置の存在がのっけから肯定されているのにはビックリしたが、その後の構成はやや散漫。著者の国防論は保守派の論客なら常識的なものだし、架空戦記もごく常識的なもの。それよりは本書では分量が抑えられている、陸自の戦車部隊が、空自の支援がまったく期待できない状況を想定し、北海道に上陸してきたソ連の自動車化狙撃師団に対抗しようとしていたかなど、実際の運用や訓練の様子にもっとクローズアップしてもよかったのではないかと思われる。それこそが陸自における”本当の戦車の戦い方”だったのだから。10式戦車においては、まったく別の運用形態を今から築くところであり、それに触れるのはもっと未来でよかろう。

初版2011/04 光人社/文庫

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Comments

お久しぶりです。

これ読みましたが、確かにもう少し踏み込んで書いてほしいところが多かったな。
それにしても貴殿の読書幅にはいつも驚いている。

どうやって本を選ぶかはいつも難しい・・・

Posted by: 高○ | 2011.05.01 at 22:36

>高○さん
こんばんは。
少なくとも、架空戦記は余計でした。

本選びに関しては、雑誌以外はミリタリーと自然科学とサッカーの棚を週一でチェックしてるくらいのもんです。テーマを絞ってはいかがでしょう?
北海道でいえば、コーチャンフォーの新刊コーナーは重宝してましたね。

Posted by: ウイングバック | 2011.05.02 at 18:13

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