書評<マルドゥック・フラグメンツ>
著者のマルドゥック・シリーズの短編集。ボイルドとウフコックが袂を分かつ前の「ヴェロシティ」絡みの話が2編、「スクランブル」の導入部となる話が1編。「スクランブル」の最後の戦闘をボイルド視点で書いたものが1編、そしておそらく完結編となる「アノニマス」のプロローグが収められている。それに作者の沖方氏のインタビューが加えられている。「天地明察」のヒットにより、すっかり一般的な文芸分野に向かっていくと思っていたので、マルドゥックシリーズの続編が書かれるというだけでも驚きではある。プロローグを読む限りではいわゆる”刑事モノ”の匂いがする作品で、個人的には非常に歓迎である。 この勢いで、ぜひともシュピーゲル・シリーズも完結して欲しいものである。
初版2011/05 早川書房/ハヤカワ文庫JA
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