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2011.09.20

書評<戦術リストランテ>

海外サッカーを扱う「フットボリスタ」に連載されている西部謙司氏のコラムの書籍化。戦術分析に定評のある著者が、ここ2~3年のビッグマッチを軸に、世界のサッカーの頂点に立つべく争うクラブチームの戦術の今を解説する。本書書下ろしとして、監督がいかに戦術を伝えているかを常福氏(前東京FC監督)と、また専門誌はいかに戦術を読者に伝えようとしているかを「フットボリスタ」編集長との対談にて検討する。

監督は選手たちにピッチでどんなことを表現させようと目論んでいるのか?選手たちはどのような意図をもって走り、ボールを追い、パスを出しているのか?このへんが分かりだすと、観戦が格段に面白くなる。個人的にはプレミアやチャンピオンズリーグを生で見る根性はないので、雑誌連載のこのコラムを読んだ後に該当する試合を見ることも多いのだが、著者の適度に噛み砕いた解説を思い出しながら映像を後追いで見ると、選手たちのシステマチックな動きがよく分かる。
しかしながら、本書の価値は前記した対談にあるだろう。プレーヤーたちの現場、自分たちが読む雑誌は戦術をどのように扱っているのか。それが垣間見えて面白い。
とはいえ、フォーメーションとシステムの虜になってしまうと、杉山某氏のように大切なものが見えなくなってしまうことがあるのも確か。サッカーを広い視野で見るべきだと、戦術本を読んだ後だからこそ再確認しなければならないことだろう。

初版2011/09 ソルメディア/ソフトカバー

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