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書評<自分の体で実験したい―命がけの科学者列伝>

科学の発展は、実験なしにははじまらない。だが、人体の仕組みや耐久力、あるいは感染症の原因など、人間に関わる謎の追求には危険が伴う。そういった未知の危険に他人をさらすわけにはいかない。だから、科学者たち自分自身で人体実験をした。人体はどこまで高温に耐えられるか?人体にとって危険な気体は何か?感染症のルートは?本書はそういった謎の解明のために自分の身を危険に晒しながら、科学とそれを実学とすることに尽力した10人の科学者たちのエピソードを集めたものである。

現在を生きる我々は、短い間なら高温あるいは低温に晒されても体温が一定であることを知っているし、食べたものがどのような過程で消化されるかを知っている。このように人体に関する基本的な事柄からして、科学者たちの”蛮勇”が研究の道を切り拓いていった。本書には科学者たちの好奇心や探究心、あるいは自己犠牲や献身といった感情がずっしり詰まっている。
ミリオタ的には「人体が加速度にどれくらい耐えられるか?」を探求したジョン・ポール・スタップの物語だけでも読む価値があるだろう。彼なくしてはきちんと機能するシートベルトもイジェクション・シートもなかったし、我々が日常で使う自動車の安全性の追求も彼の研究なくしてはなかった。そんな物語がいっぱい詰まった良書である。

初版2007/02 紀伊國屋書店/ハードカバー

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