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F-14B(Upgrade) Completed

2011年の締めの完成品としてはふさわしくないですが、クリスマス含めた3連休で製作したグラマンF-14Bトムキャット"SantaCat"をうpします。現用機モデラークラスタのよくない休日の使い方の成れの果てです(笑)。
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グラマンF-14トムキャットは艦隊防空を担う機体として1970年代初頭に実戦配備された艦上戦闘機。同世代の機体の多くがまだ現役にとどまっていますが、F-14は冷戦崩壊後、主たる脅威であったソ連の対艦巡航ミサイルによる飽和攻撃の可能性がなくなったこと、VG翼や複雑なFCSの維持経費が高くつくことから空母航空団からTARPS(戦術偵察ポッド)運用能力を持たない部隊から徐々に解散していき、伝統あるVF-84"JollyRogers"も解隊の憂き目にあいました。
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しかしながら伝統ある部隊の解散は士気維持にも関わるため、ドクロのマークはエンジンを改装、ボムラックとLANTIRNの運用能力を付加したF-14Bを装備するVF-103に引き継がれました。ロービジ化の時代に逆らい、派手な塗装でミリオタを楽しませてくれたVF-103ですが、なかでも洒落がきいているのが2000年のクリスマス・ホリデーに施された”Santa Cat”です。
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キットはハセガワのF-14Bのキットをほぼストレート組み。翼下パイロンや機首ピトー管にファインモールド別売品ををちょびっと使用。ちょいと組みにくくて、かなりサンディングの必要なキットですが、それもまあスジ彫りの修行だと思えば良し。
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マーキングはファイタータウンデカールのものを使用。薄くて余白の少ない逸品ですが、それだけにやり直しはしにくいかも。F110ターボファン・エンジンのアイリス板の陰影をデカールで再現しており、これだけでも工期をだいぶ短縮できます。
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というわけで、2011年も終わります。自分のプラモ生活的には完成品がスタンダード過ぎて、あんまりチャレンジができなかったかな、と思います。製作記事も繰り返しになるので、滞りがち。在庫だけは順調に増えているので(笑)、来年は旧西側ジェット戦闘機だけではなく、ちょいと製作も幅が拡げられればと思います。

よろしければ2012年も引き続き、お付き合いください。

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書評<フルメタル・パニック! アナザー2>

各国の軍を相手にAS戦の訓練支援を行うD.O.M.Sなる民間軍事会社にスカウトされた高校生、市之瀬達哉。実際の現場で冷静さを失い規則違反をするなどしながら、軍隊という組織について勉強中の身。
夏休みを利用した任務が開けた2学期、彼を日本での任務が待っていた。それは日本製のASの受領。だが、自衛隊次期ASを巡る陰謀に巻き込まれ、実戦を体験することとなる。

「フルメタル・パニック」の新章第2弾。うーん、前作が期待をもたせる出来だっただけに、全体的にやや薄っぺらい印象。というのも、主人公がAS操縦に関する才能があるっていうだけでキャラが薄く、回りのサブキャラの方が過去を背負っていたり、特技を持っていたりして濃いんですな。そのアンバランスさがこれから解決されるのかは作者のウデしだいでしょう。今作で主人公の乗る特別なASをうまく設定できたのはいいのですが、この日本製ASは補助機関により一撃必殺のスピードを持つ機体で、運動性能第一を是とする日本製戦闘機械の伝統?から外れているのもどうかと。
まだまだ物語は序章なわけですが、キャラが立たないとなかなか小説として面白くならないので、そろそろ本格的な展開に期待です。

初版2011/12 富士見書房/富士見ファンタジア文庫

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書評<フットボリスタ主義>

海外サッカー専門週間誌「footballista」の編集長が6年間に渡って書いている巻頭コラムを抜粋、まとめたもの。スペイン在住で少年サッカーの監督やリーガ・エスパニョーラの取材をしながら、日本の雑誌の編集長を勤めるという、きわめて特殊といっていい著者が、その独特の立場の目線でサッカーを中心にしてスペインという国の特殊事情や日本との違いなどを綴っていく。

自分は最近「fottballista」を定期購読しはじめたクチだが、スペインから送られる彼のコラムは雑誌の魅力の一つだ。スペインを愛しながらも決して溺愛することはないその目線の一貫性が、この週刊誌とコラムが続いている理由だと思う。彼の現地生活というフィルターを通して触れることとなるスペインとかの国サッカーは、ただのマッチレポートとも違うし、海外特派員が送ってくる記事とも違う、独特のものだ。短いコラムの連続ながら、得ることができる情報の多い一冊である。

初版2011/12 ソルメディア/ソフトカバー

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書評<「お手本の国」のウソ>

フィンランドの”競争をしない”教育制度、先進国の中で珍しく”少子化を克服した”フランスの福祉政策。ニュージーランドの徹底した自然保護政策。これらは、あらゆる方面で手詰まり感がある日本の政策に対して、成功を収めているといわれる各国の政策だ。だが、それらは無条件に日本が”お手本”とすべきものなのか?本書は陪審制や二大政党制などお手本にした国々、またはこれから日本が政策を見直す際にお手本にすべきとされる国々の実態を紹介する。

ワイドショーや討論番組で見ていてムカムカすることの1つは、評論家諸氏がやたらと”うまくいっている国々”を持ち出して日本をクサすこと。心酔している国があるのは個人の自由だが、はたから見ると素晴らしいそれらの国々の政策を本当に日本に当てはめたとき、うまくいくかどうか考えたことがあるのだろうか?と感じざるをえない。本書はそうした疑問に少しだけ応えてくれる。例えばニュージーランドの自然保護制度。移民により絶滅寸前の原生動物を守るため、ネズミなど外来生物を容赦なく、軒並み駆除していく。上空から毒物散布までするそのやり方は、それもまた人間のエゴに過ぎないのではないか?そう思わざるをえない。
安易に海外の政策を持ち出すことがいかに愚かなことか、考えるきっかけとなる新書である。

初版2011/12 新潮社/新潮新書

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書評<卵をめぐる祖父の戦争>

ときは大祖国戦争、ドイツ軍包囲下のレニングラードで暮らす17歳のレフはある夜、凍死したドイツの降下猟兵を発見する。死体からナイフを奪取したレフは夜間外出禁止令を破ったとして、憲兵に捕まり懲罰牢に入れられてしまう。そこで彼は饒舌な脱走兵コーリャと出会う。翌朝、彼らを待っていたのは銃殺刑ではなく、NKVDの大佐の娘の結婚式のために卵を探す任務だった。2人は恐怖と飢餓が支配するレニングラードを冒険することとなる。

現代の作家デヴィッドが祖父に戦争の話を聞く場面から始まる冒険小説。レニングラードの包囲戦を描いたフィクション、ノンフィクションは数あれど、これほど奇妙な戦争を描いたものはないだろう。詩人の父を持つゆえか、危機に際して思索が深いレフと、誰もが危機におびえて生きる中で、饒舌に持論をぶつコーリャのコンビが、レニングラードを駆け巡る様は、どこかユーモアを感じさせる。だが、彼らがそこそこで出会うのは戦争と飢餓とそれにまつわる狂気だ。例えば食人鬼は狂気そのものだが、戦争の当事者であるナチスもソ連のレジスタンスもどこか常軌を逸している。ユーモアと狂気、その奇妙な組み合わせが、物語をなんとも味わい深いものにしている。先に発売された大判が評価が高かったので購入したが、評判に違わぬ一冊である。

初版2011/12 早川書房/ハヤカワ文庫NV

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平成23年度決定F-Xの個人的総括

まだ防衛省から正式発表はされてませんが、各新聞紙の報道、わけても国営放送が内定というのであれば、F-4EJファントムⅡおじいちゃんの後継であるF-X(40機採用)はロッキード・マーティンF-35AライトニングⅡで決定なんでしょう。
今回のF-Xの候補であるユーロファイター・タイフーンおよびボーイングF-18E/Fスーパーホーネットと前記F-35Aはそれぞれに一長一短あり、ミリオタたちの恰好の議題となっていました。タイフーンは高い機動性能とライセンス生産を含む広範囲な情報開示という、防衛産業の裾野を含めれば、これまでのF-Xのように「ヨーロッパ製の機体は当て馬」という評価をくつがえした候補。スーパーホーネットは空自が求める要求性能の一部である、高速インターセプターとしての能力はやや劣るものの、多彩な搭載兵器と先進FCSでそれをカバーする無難な候補。F-35Aは高い低観測性をそなえ、AESA(先進アクティブ)レーダーとEOTS(光学観測システム)を組み合わせて高いSA(状況認識)をパイロットに提供し、ネットワークを駆使して戦闘を行うという、まさに新世代戦闘機なのですが、開発段階の機体の上、トラブル続きで価格高騰。計画中止はさすがにないでしょうが、2016年という配備予定に間に合うのかという問題を抱えます。

今回のF-X決定の初報を受けて個人的に印象的だったのは、Twitter上で我々シロウトのミリオタがF-35A決定にやや釈然としない意見が多かったのに対し、各専門誌で記事を執筆する評論家諸氏がほぼ肯定的な意見だったことでした。このことをつらつら考えるに、接している情報の深さに差があるのはもちろんとして、やはりコクピットシュミレーターに触れているかいないかが決定的な差を生んでいるのではないかと考えます。自機の電子・光学・赤外線センサーとAWACSその他とのリンクで得た情報を統合する”センサーフュージョン”、そしてそれを操作する先進コクピットは、なかなか本を読んで写真を見るだけでは実感できない、画期的なことなんでしょう。

それでもまだ、個人的には釈然としない。F-35Aのその先進性能と”専守防衛”に代表される政府や自衛隊の方針に合致しているのか?日本の防衛産業の行方は?F-35のこれまでの国際共同開発体制との兼ね合いは?次のF-Xは?まあ、一番の要因はちょっと太り気味のその機体に”かっこ良さ”が足りないということのような気もしますが。

ともかく、F-35Aの導入がただの「使用機材の更新」でないことは明らかでしょう。空自がF-35Aをどう使っていくのか、長い目で見守りましょう。

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書評<ナチスの発明>

第2次大戦のヨーロッパにおける「悪の権化」であるナチスとヒトラーだが、第1次大戦による疲弊とベルサイユ条約の重い負担からドイツ国民を救うことによって、大衆を引きつけたのは歴史的事実である。そこには多くの技術的革新と、社会制度の革新があった。技術的革新に代表されるのは2次大戦時の革新的な兵器はもちろん、ヒトラーの演説を支えたPA装置や国民車、フォルクスワーゲン・ビートル。社会的革新に代表されるのは、意外なほど人道的な労働法の制定やスポーツあるいは観光の振興。本書はこうしたナチスの革新を紹介する。

ミリオタ、航空機オタ的には、後退翼やデルタ翼あるいはV2ロケットなど、ドイツの宇宙航空技術の異常ともいえる発展はよく知られるところである。ソ連のロケットなんて、いまだV2ロケットの遺産で飛翔しているといっていいぐらいだ。だが、本書のキモはそうした技術的な革新よりも、ナチスの制定した社会制度の方にあると思う。科学技術の方は、19世紀末からの科学の発展が各国で花開いたのがナチスの隆盛と重なっていたのであり、遅かれ早かれ各国がその技術に追いついたからこそ、ドイツは敗戦したともいえるからだ。
対して、公共事業による失業者対策、女性の登用、1日8時間労働、休暇取得の推進といった大衆に優しい社会制度の制定は、ナチスが大衆の支持を得るために「発明した」といえるのではないか。「ドイツ国民が民主的に独裁者を選んだ」とよく言われるが、それは何もカリスマに全国民が魅かれたわけという理由だけではない。ナチスはある意味でのユートピアをつくろうとしていたのだから。
もしヒトラーに領土的野心とユダヤ人に対する差別心がなかったら、ドイツという国はどうなっていたのか?そんなことを考えてしまうが、それもまたナチスの戦略と不可分であることも思い出さなくてはならない。どこかに負担をかけないとユートピアなんぞはありえない。それもまた我々が「ナチスの発明」から学ばなければならないことであろう。

文庫版初版2011/09 彩図社/文庫

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書評<検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか>

未曾有の大災害となった東日本大震災だが、福島第一原発の事故も絡んで、発生直後から多くの陰謀論を生み、今もネットを中心としてそれは広まっている。それは地震発生そのものが地震兵器に拠るものであったという荒唐無稽なものから、放射線に対する認識の違い・誤解から生まれる風評被害まで様々だ。陰謀論や世界に残るオカルトを検証してきたシリーズ最新作となる本書は、そうした陰謀論を検証し、科学的な分析によって真実を追究する。さらに、原発事故で奇しくも世間に注目されるようになった広瀬隆や小出裕章といった反原発論者、あるいは武田邦彦に代表される一部科学者の言動はどれだけ信じてよいのか検証する。

あらかじめ立場を明らかにしておくが、わたくしウイングバックはあらゆる陰謀論に対して懐疑論者であり、本書の姿勢を支持する。大震災と原発事故に関するあらゆる事象は、少なくともネットでは意見が二分されており、「陰謀論を疑う」「著名な科学者の科学的分析を疑う」といった姿勢が受け入れられない人には、本書の存在などまったくムダと言っていいだろう。だが、やはり科学は疑うこと、実験すること、観察することが本分であり、それが受け入れられる人には、本書は充分に興味深い本となっている。陰謀論や過剰な放射線危険論を検証し、現在のところ、もっとも科学的な見地はどこにあるかを記している。また、平素は日本のマスメディアより良質と見られている海外メディアが煽動的な報道を繰り広げていることに対しても反論を繰り広げ、原発事故について言及する”海外の有識者”たちについてもページをさいており、彼らの言質を検証していることも評価に値すると考える。ネットや一部テレビで大きな声を出している知識人に辟易してる人にはうってつけの本といえるだろう。

初版2011/11 文芸社/ソフトカバー

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書評<デッド・ゼロ 一撃必殺>

アメリカ海兵隊が誇る狙撃手、レイ・クルーズはアフガニスタンで特殊な任務を命ぜられる。タリバンの協力者でありながら、その財力と人間的魅力でカブールの民衆を魅了するザルジなる男をしとめるのだ。しかし、その任務は妨害され、クルーズは死亡と判定された。その3ヵ月後、ザルジは改心したアフガニスタン大統領候補者としてアメリカを訪問する。同時に、死亡したと思われていたクルーズのメッセージがアメリカ当局に届く。「ザルジ射殺任務を継続中」と。一騎当千の狙撃手からザルジを護衛するコンサルタントとして、FBIは伝説の狙撃手、ボブ・スワガーを臨時雇用する。そしてスワガーは、そこに根深い陰謀を見出すこととなる。

スティーブン・ハンターの「スワガー・サーガ」の最新作。現実のアフガニスタン戦争が下敷きになっていることもあり、近年になくハードな物語である。イラクやアフガンでの戦いを通して、アンチ・マテリアル・ライフルのはずが人間を大射程で真っ二つに切り裂くライフルとなったバレット82での射撃、遠くアメリカの地から死の嵐を巻き起こす力を持つUAV、MQ-9リーパー。それらの激しい戦闘シーンの幕間にミステリーやトリックを挟み込み、またも読むのが止まらない良質なノベルに仕上がっている。
それはスワガー・サーガの新たな主役になるのではないかと思われるレイ・クルーの登場のおかげであろう。今回のボブは陰謀を捜査する面では主役を務めるが、アクション・シーンはもっぱらレイ・クルーズが担当しており、無理に60を超える老人にアクションをさせる必要がなくなったおかげで、派手な銃撃戦が復活しているのだ。
というわけで、次回作がまたも楽しみな一作に仕上がっている。

初版2011/12 扶桑社/扶桑社ミステリー文庫

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書評<アルバニアインターナショナル>

バルカン半島の南東に位置するアルバニア。国際情勢にそれなりに注意を払っている人でも、なかなかその国について知る機会はない。冷戦時代はソ連以上に共産主義に傾倒し”鎖国”状態と化し、東欧革命以後は逆に民主化を急ぎ過ぎ、国民の多くがネズミ講にひっかかった小国くらいの知識があれば御の字であろう。本書は鎖国の国であったはずのアルバニアと世界の国々とのつながりを明かしながら、バルカンの知られざる国家の真実を明かしていく。

Amazonで”おすすめ”で本書を見つけて購入した当初は、たとえば北朝鮮を”お笑いネタ国家”と冷笑する類の本だと思っていたのだが、いい意味で裏切られた。日本の数少ないアルバニア研究の第一人者が、長きに渡るバルカン半島の歴史の中で数奇な運命を辿った民族と国家の歴史を明かしていく、まっとうなアルバニア研究本である。上記したように様々な国家とのつながりを短い文章で紹介しながら、通して読むと豊かな文化を持ち、他のバルカンの国々とはまた一味違ったアルバニア人気質を知ることがことができるのだ。同時に、まさにモザイクとしかいいようがないアルバニア民族の世界への散らばり方を知ることにより、激しく民族が興亡した中世以後のヨーロッパの歴史の激しさを垣間見ることができる。歴史と民族の面白さがつまった一冊だ。


初版2009/08 社会評論社/ソフトカバー

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