書評<フルメタル・パニック! アナザー2>
各国の軍を相手にAS戦の訓練支援を行うD.O.M.Sなる民間軍事会社にスカウトされた高校生、市之瀬達哉。実際の現場で冷静さを失い規則違反をするなどしながら、軍隊という組織について勉強中の身。
夏休みを利用した任務が開けた2学期、彼を日本での任務が待っていた。それは日本製のASの受領。だが、自衛隊次期ASを巡る陰謀に巻き込まれ、実戦を体験することとなる。
「フルメタル・パニック」の新章第2弾。うーん、前作が期待をもたせる出来だっただけに、全体的にやや薄っぺらい印象。というのも、主人公がAS操縦に関する才能があるっていうだけでキャラが薄く、回りのサブキャラの方が過去を背負っていたり、特技を持っていたりして濃いんですな。そのアンバランスさがこれから解決されるのかは作者のウデしだいでしょう。今作で主人公の乗る特別なASをうまく設定できたのはいいのですが、この日本製ASは補助機関により一撃必殺のスピードを持つ機体で、運動性能第一を是とする日本製戦闘機械の伝統?から外れているのもどうかと。
まだまだ物語は序章なわけですが、キャラが立たないとなかなか小説として面白くならないので、そろそろ本格的な展開に期待です。
初版2011/12 富士見書房/富士見ファンタジア文庫
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