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書評<検証 大震災の予言・陰謀論 “震災文化人たち”の情報は正しいか>

未曾有の大災害となった東日本大震災だが、福島第一原発の事故も絡んで、発生直後から多くの陰謀論を生み、今もネットを中心としてそれは広まっている。それは地震発生そのものが地震兵器に拠るものであったという荒唐無稽なものから、放射線に対する認識の違い・誤解から生まれる風評被害まで様々だ。陰謀論や世界に残るオカルトを検証してきたシリーズ最新作となる本書は、そうした陰謀論を検証し、科学的な分析によって真実を追究する。さらに、原発事故で奇しくも世間に注目されるようになった広瀬隆や小出裕章といった反原発論者、あるいは武田邦彦に代表される一部科学者の言動はどれだけ信じてよいのか検証する。

あらかじめ立場を明らかにしておくが、わたくしウイングバックはあらゆる陰謀論に対して懐疑論者であり、本書の姿勢を支持する。大震災と原発事故に関するあらゆる事象は、少なくともネットでは意見が二分されており、「陰謀論を疑う」「著名な科学者の科学的分析を疑う」といった姿勢が受け入れられない人には、本書の存在などまったくムダと言っていいだろう。だが、やはり科学は疑うこと、実験すること、観察することが本分であり、それが受け入れられる人には、本書は充分に興味深い本となっている。陰謀論や過剰な放射線危険論を検証し、現在のところ、もっとも科学的な見地はどこにあるかを記している。また、平素は日本のマスメディアより良質と見られている海外メディアが煽動的な報道を繰り広げていることに対しても反論を繰り広げ、原発事故について言及する”海外の有識者”たちについてもページをさいており、彼らの言質を検証していることも評価に値すると考える。ネットや一部テレビで大きな声を出している知識人に辟易してる人にはうってつけの本といえるだろう。

初版2011/11 文芸社/ソフトカバー

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