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書評<アルバニアインターナショナル>

バルカン半島の南東に位置するアルバニア。国際情勢にそれなりに注意を払っている人でも、なかなかその国について知る機会はない。冷戦時代はソ連以上に共産主義に傾倒し”鎖国”状態と化し、東欧革命以後は逆に民主化を急ぎ過ぎ、国民の多くがネズミ講にひっかかった小国くらいの知識があれば御の字であろう。本書は鎖国の国であったはずのアルバニアと世界の国々とのつながりを明かしながら、バルカンの知られざる国家の真実を明かしていく。

Amazonで”おすすめ”で本書を見つけて購入した当初は、たとえば北朝鮮を”お笑いネタ国家”と冷笑する類の本だと思っていたのだが、いい意味で裏切られた。日本の数少ないアルバニア研究の第一人者が、長きに渡るバルカン半島の歴史の中で数奇な運命を辿った民族と国家の歴史を明かしていく、まっとうなアルバニア研究本である。上記したように様々な国家とのつながりを短い文章で紹介しながら、通して読むと豊かな文化を持ち、他のバルカンの国々とはまた一味違ったアルバニア人気質を知ることがことができるのだ。同時に、まさにモザイクとしかいいようがないアルバニア民族の世界への散らばり方を知ることにより、激しく民族が興亡した中世以後のヨーロッパの歴史の激しさを垣間見ることができる。歴史と民族の面白さがつまった一冊だ。


初版2009/08 社会評論社/ソフトカバー

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