書評<フットボリスタ主義>
海外サッカー専門週間誌「footballista」の編集長が6年間に渡って書いている巻頭コラムを抜粋、まとめたもの。スペイン在住で少年サッカーの監督やリーガ・エスパニョーラの取材をしながら、日本の雑誌の編集長を勤めるという、きわめて特殊といっていい著者が、その独特の立場の目線でサッカーを中心にしてスペインという国の特殊事情や日本との違いなどを綴っていく。
自分は最近「fottballista」を定期購読しはじめたクチだが、スペインから送られる彼のコラムは雑誌の魅力の一つだ。スペインを愛しながらも決して溺愛することはないその目線の一貫性が、この週刊誌とコラムが続いている理由だと思う。彼の現地生活というフィルターを通して触れることとなるスペインとかの国サッカーは、ただのマッチレポートとも違うし、海外特派員が送ってくる記事とも違う、独特のものだ。短いコラムの連続ながら、得ることができる情報の多い一冊である。
初版2011/12 ソルメディア/ソフトカバー
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