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2012.01.10

書評<動物が幸せを感じるとき―新しい動物行動学でわかるアニマル・マインド>

人間がペットとして長年慣れ親しんでいるネコやイヌ、家畜であるウシやブタ、あるいは動物園の飼育動物など、我々の回りには多くの動物がいるが、それらの動物たちの”感情”は分かっているようで、あまり理解がすすんでいないのが現状である。これはペットとして動物に触れる一般的な都市住民だけではなく、それら動物の調教師や飼育師など、いわゆるプロであっても同様らしい。本書はそうした人間に縁がある動物たちの行動原理の最新の研究結果から、動物たちがどんなときに緊張して恐怖を感じているのか、あるいはリラックスして”幸せ”を感じているのかどんなときなのかを解き明かしていく。

我々の仲間のほ乳類の動物たちは、行動原理が単純な生存や繁殖に対する欲求だけではなく、かといって人間のごとく複雑な心理に支配されているわけでもなく、かえって分析が難しい存在である。本書はその行動原理の最新の研究結果から、保守的になりがちな動物に対するものの見方を変え、もっと動物が心理的負担を減らして長生きできるようにするにはどうしたらいいかを提案している。著者は動物学者でありながら、大手食品チェーンベンダーに食材を供給する飼育場の環境改善にもたずさわっており、動物愛護への極端な論調にはならず、しごく公平で冷静に動物たちを守ろうとする姿勢に好感が持てる。
本書で明らかにされる動物行動学と、ナショナルジオグラフィックスあたりに登場するドッグ・トレーナーたちの言うことと比べてみるのも、愛犬家には面白いかもしれない。

初版2011/12 NHK出版/ソフトカバー

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