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書評<分裂するアメリカ>

イラク・アフガン戦争への対応、経済危機などを巡り、アメリカ国民の意見は二分され、格差は拡大した。その反動として生まれたのがオバマ政権といっていい。だが、医療保険制度の改革やオバマ大統領の外交姿勢によって、またもアメリカ国民はバラバラになりつつある。ティーパーティ運動の実相やヒスパニック移民の現在を追うことにより、オバマ大統領就任時から変容しつつあるアメリカ社会の実態を追う。

アメリカは移民の国であり、自由の国なのでもとより分裂している。それを扱った本はたくさんあるが、本書は「分裂した集団がまた分裂する、先鋭化する」という事象を取り上げたものである。”小さな政府”を標榜するリバタリアン全員がティーパーティ運動参加者というわけではないし、ティーパーティ的な組織が共和党支持者というわけではない。ようはスキームによってバラバラなのである。
「ヒスパニック」という言葉も同様に一括りでは使えない言葉である。もともとニューメキシコ近辺をアメリカが”併合”したときにヒスパニック系の人がいたわけで、それらの人々は近年の不法移民と一緒にされては困るというわけである。
こういうふうに、選挙対策に長けた共和党、民主党両方の政治家が困る事態が生じつつある、アメリカの複雑な政治状況を本書は解説していて、非常に興味深い。それだけに、ありがちなタイトルで損をしていると思う。
イギリスもそうだが、日本も目指した二大政党制なるものが崩れつつあるのが、先進国の民主主義なのかも知れない。

初版2012/02 幻冬舎/幻冬舎新書

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