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書評<エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実>

エリア51とは、アメリカ合衆国ネバダ州のグルームレイクと呼ばれる乾湖を中心とする、広大な政府管理地域のことを指す。この地域は「政府が砂漠に墜落したUFOと宇宙人の死体を保管し、リバースエンジニアリングでUFOを開発している」地下施設がある地域としてUFOマニアにはよく知られている。そしてまた、U-2あるいはA-12、SR-71といった戦略偵察機の試験飛行が行われていた基地として、ミリタリーマニアにも有名である。虚実入り混じった”秘密基地”であるエリア51の真実とはどこにあるのか?近年になって機密解除された政府機密文書と、関係者への取材を積み重ねて、著者がそれを明かしていく。

まずもって断っておくと、本書は少なくとも終盤までは、まっとうな、渾身のノンフィクションである。UFOマニアにはよく知られるエリア51は、実はU-2あるいはA-12といったCIAが運用する戦略偵察機の試験飛行の拠点であり、後年はステルス攻撃機であるF-117Aナイトホークの試験も行われたエアベースであった。その秘密のベールの少なくとも一部を剥がすことに成功している。さらに”近隣地域”には原子力委員会が管理する大気圏内核実験や放射性物質の拡散試験など核兵器に関わる重要施設があり、まさにグルームレイクは”冷戦の狂気”を象徴する地域だったことを解き明かしている。
問題はその終盤である。ややネタバレになるがどうしても気になるので書く。「UFOと宇宙人の死体」うんぬんの伝説は、実はソ連の謀略であり、円盤状の飛翔体も、異型の”亜人類”も実在したと著者は関係者から聞き出したとしているのだ。ここまでほぼ実名だった取材した関係者も、この件だけは匿名である。この記述が、本書の評価を惑わせる。せっかくの渾身のルポを最後の最後のヨタ話で台無しにしていると評価すべきか?あるいは重大な新事実が明らかになったとすべきか?自分は前者として評価するが、別の捉え方もあるだろう。いずれにしろ、冷戦時代の軍拡競争と諜報戦の一幕を明かしているという点では、読んで損のない本である。

初版2012/04 太田出版/ソフトカバー

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