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書評<四十の魂―ユニコーンへの道>

幼少の頃から見ていたロボットアニメによって価値観を作り出された、最初で最後の世代が現在35~45歳くらいの”男の子”たちである。ロボットアニメが生み出すドラマと、密接に関連する玩具は、男の子たちに、日本社会にどのような影響を与えてきたか?1968年生まれであり、後にターンAガンダムのノベライズやガンダムUCの原作小説を手がけるなど、”トミノ・チルドレン”の代表者である著者が、自らとロボットアニメの関係を明かしていくことにより、それを解説していく。

なんだか大上段に構えた紹介になってしまったが、本書は電撃ホビーマガジンの連載をまとめたものであり、いわば同じ体験をした同世代に向けたエッセイである。後半は現在製作が進んでいるガンダムUCの製作エピソードなんかも含まれている。ロボットアニメが血肉になっている世代には、うなづけるエピソードも多いだろう。だが、少しの年齢の違いや価値観で感じ方がずいぶん違うことも分かる。著者のマクロスとダグラムに対する評価は低いようだが、著者より年齢が3つ下、すでにミリオタの道に入りかけていた自分にとってマクロスが”終わりの始まり”とは感じなかったし、ダグラムはまったくの傑作だと思う。それでも、アニメに対する”熱”を持ったまま、それを卒業して思春期に入ったはずなのに映画版パトレイバーあたりでこの世界に戻り、大人になってまた卒業したはずなのにエヴァンゲリオンでこの世界に戻ってきたことなど、共通点も多い。そんな違いや共通点を探しながら読むと、なかなかに興味深いエッセイである。

初版2012/05 アスキー・メディアワークス/ソフトカバー

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書評<驚きの英国史>

イギリスは近代史のイメージから、”7つの海を支配した”大国といったイメージが先行する。しかし長い歴史を通してみると、ノルマン人からナチス・ドイツまで、様々な民族からのグレート・ブリテン島への侵略に立ち向かう時代の方が長いことが分かる。そうした歴史が今のイギリス人気質を作り上げた。本書は、短いが印象的なエピソードを積み重ねることによって、イギリス人のメンタルを明かしていく。

本書は通史ではなく、歴史上の出来事が現在までつながる様々なエピソードを紹介するものだ。日本人もたいがい歴史好きだが、イギリス人もまた長い伝統を守っていくことが好きであり、しかも日本と違って庶民に身近なパブなんかでも歴史の破片が残されている。ときに興味深く、ときにバカバカしいエピソードが紹介されており、それぞれが絶妙に噛み合う事により、イギリス人の価値観がいかに形成されてきたか、その一端を知ることができる。手軽だが、興味深い一冊だ。

初版2012/06 NHK出版/NHK出版新書

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書評<イスラム飲酒紀行>

UMA捜索や辺境探索で知られる著者だが、相当な酒飲みでもあるらしい。だが、辺境探索を職業としていれば、旅する国は選ぶことが出来ず、飲酒厳禁が戒律のイスラム圏の国々も当然、訪問することとなる。果たして、イスラム圏の国々で酒は飲めるのか?飲めるのなら、どのような酒が供されるのか?本書はイスラム圏の国々の飲酒事情をレポートしている。

イスラム圏の国といっても戒律の厳しさには差があるし、ほぼ内戦状態のアフガニスタンを含めて、治安面や政府が持つ力も大きな差がある。外国人用のホテルで堂々と飲める国もあるのだ。それなのに著者は一般国民の”飲酒事情”を知るために、様々な人々と接触し、酒を飲もうとする。メシのタネといえ、検挙されるのをいとわずに酒に溺れるその姿は、同じ酒飲みとして尊敬せずにいられない。また、飲酒という行為に対する現地の人々の反応をとおして、国民性や政府に対する意見も知ることができている。”飲みニケーション”というのはオッサン用語になりつつあるが、国際的に通じるのが、酒飲みとしてなんだか嬉しいのである。

初版2011/05 扶桑社/ソフトカバー

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書評<バナナの世界史>

世界でもっとも多く消費されている果物であるバナナ。先進国では甘く栄養価の高いフルーツとして、発展途上国では食糧として、多くの人々の暮らしを支えているバナナ。だが、栽培の中心となっている品種が現在、絶滅の危機にあることはあまり知られていない。また、バナナの栽培の歴史は中米・南米のプランテーションを中心とした過酷な労働の歴史であり、巨大企業のエゴが剥き出しとなった歴史でもある。本書は、そうしたバナナの持つ様々な側面にスポットを当てていく。

バナナを巡る歴史は過酷である。アメリカの巨大企業は、自分たちの都合のいいように南アメリカの政権を転覆させ、土地を奪い、労働を搾取してきた。それに政府や政府の諜報機関も協力する。いまだ治安の安定しない国も多い中米・南米の国々がそうなった根源に、バナナを巡る歴史が深く関わっているのだ。
また、バナナという植物自体も病気に弱く、不安定な作物だ。その歴史を本書で読むと、全世界に大量に供給できていること自体が奇跡にも思えてくる。長年に渡る品種改良、また最近では遺伝子改良の研究が続けられているものの、「緑の革命」のような奇跡はまだ起きていない。
日本では流行にのって消費量が増えているようだが、そのバナナが背負っている”重さ”がどれほど知られているか?そこらへんはもう少し周知が必要ではないかと思える。本書は内容の割に読みやすい文体であるし、もっと一般に読んでもらいたい本である。

初版2012/01 太田出版/ソフトカバー

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F-15A"IDF" Day3rd

ル・マン24時間の中継をネットや有料チャンネルで見ながら、みんなでTwitterでチャット状態。いい時代になったもんだ。トヨタの結果は残念ですが、マシンの初レースで完走できるほど、ル・マンはまだまだ甘くないってことか。
湿度と気温が高いなか、F-15Aは小パーツをコツコツと。

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小国ながら技術力があることの証明であるオリジナルIR-AAM、パイソン3はパブラのレジン製品、アイリス板付ののジェットノズルはアイリスのレジン製品を奢ってます。ノズルはともかく、パイソン3のおかげで時間食ってます。
塗り分けめんどくせー。

ところで、CFTパーツの部品取り用にレギュラーの1/72買ってきたのですが、凸モールドのパーツが痛んでなくて、バリも少ないんですね。金型寿命まで使い切ってないまま、次の金型に移行したのがよく分かる。それに比べて、現在のレギュラー商品のF-15Cはバリも多いし、なんとなく作りづらい。空自のF-15Jの改修も始まったことだし、ハセガワさん、ここらで新金型を・・・というわけにもいかないんだろうなあ。

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書評<ゾンビ日記>

人々が行きながら死んで、街をただ彷徨う世界。”オレ”は孤独に満ちたこの死者の世界で、スナイパーライフルを手に取り、彼らを狙撃することを選んだ。何のためでもない、ただ狙撃することを目的として。

なぜだか知らないがアメリカと日本の一部ミリオタの間でゾンビ・ブームである。いや、もはや繰り返される世界観のモチーフというべきか。本書はその世界観を用い、狙撃のウンチクを語る、押井守カントクの小説ではおなじみのスタイルである。”日記”なので特に大きなエピソードがあるわけでなく、主人公や世界観が掘り下げられるわけではないし、今回のメインの引用先であるデーヴ・グロスマンの著作は自分も読んだことがあるので、特に新しい知識を得られるわけでもない。よって、押井守信者以外にはまったくお薦めしない。だが、なぜか心にひっかかる小説ではある。

初版2012/06 角川春樹事務所/ソフトカバー

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書評<人種とスポーツ>

オリンピック陸上短距離競技のファイナリストがほぼ黒人である事実を思い出せば、黒人のアスリートが特別な身体能力を持っているという”イメージ”を抱くのもむべなるかな、と思う。だが、それは果たして真実なのか。本書はアメリカでのスポーツ界への黒人の進出と活躍を追い、黒人が高い身体能力を持つという”ステレオタイプ”が真実なのかを解説する。

本書は主として、歴史や社会学の観点から「人種とスポーツ」の関係を明かしていくものである。従って、筋肉や神経組織の違いといったような指摘はまったくない。
本書はまず、そもそもスポーツを楽しむ余暇などなかった奴隷である黒人が、人種差別を乗り越えてスポーツ界で活躍することによって、「何においても黒人は白人に劣る」という偏見を「黒人は身体的能力が高い」という逆の偏見にかえていく歴史を追う。そこで見えてくるのは、あくまでその偏見を乗り越えたのは”個人”ということである。比較的恵まれた家庭環境と、本人の強いメンタルが、彼・彼女へ栄光をもたらすのである。
人種と各競技の歴史的関わりも重要である。黒人選手が多数を占める競技に偏りがあるのは、黒人に”機会の平等”があったわけではないことを示唆している。カリブの島々のプランテーションを支えるべくサブサハラから連れてこられた人たちの子孫が住む島国、という共通点を持つジャマイカとドミニカが、まったく違う競技が強いのはなぜなのか?本書の指摘は興味深い。
というように、本書の指摘する「人種ではなく個人」というのは政治的には正しいんだと思う。ただねえ、単純に”走る”という競技において日本人が永遠に黒人に勝てそうにないのも、また事実だと思うのよ。個人的には、いわゆる先天性の問題も、きちんと向き合う必要があると感じる一冊だった。

初版2012/05 中央公論新社/中公新書

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書評<ゴールデンタイム外伝―二次元くんスペシャル>

三次元の女性に別れを告げ、脳内の彼女とともに生きるいわゆるオタクの大学一年生、隆哉。通称”二次元君”。脳内彼女のVJとラブラブの毎日のはずだったのだが、久しぶりに再会した幼馴染の後輩に振り回され、さらには”同類”の腐女子とは”同志”として原稿を手伝う仲になるなど、実は女性に振り回されがちな毎日。ところが、その幼馴染にトラブルが発生。二次元君の決断やいかに。

いちおう<ゴールデン・タイム>シリーズの外伝ではあるが、ほぼ独立した作品といっていいかも知れない作品。三次元のがさつな女の子との関わりを避け、妄想を頼りに現実を乗り切り、同類との触れあいに暖かさを見出すオタクの精神面に、鋭く切り込むフィクションとなっている。それが悪い、と言っているわけではない。二次元君とは対照的な、とにかくコンパに精を出す”チャラ男くん”も、ライトな人間関係を貫くことによって本当の自分に”ヨロイ”を着ているだけだと示唆することにより、どちらもそこを乗り越えなければ人間らしい信頼や愛など生まれないと看破しているのだ。なかなかに考えさせてくれる作品である。
当方、40手前のオッサンだが前作<とらドラ>を読んで久しぶりに恋愛がしたくなったわけだが、本書も何かのキッカケを与えてくれそうな作品である。著者は只者ではないラノベ作家の一人だと思う。

初版2012/06 アスキー・メディアワークス/電撃文庫

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書評<自由すぎるオリンピック観戦術>

サッカー、相撲、バレーボール、野球などなど、様々なスポーツをダラっと鑑賞し、愛とギャグに溢れたコラムをうpし続けるブロガー、フモフモたんの初の書籍はオリンピック観戦ガイド。実は退屈しがちなオリンピックのテレビ中継をいかに楽しむか?フモフモたんならではの視点に溢れる一冊。

人気者ブロガーだが、なかの人は退屈な仕事と孤独な生活をスポーツ中継を見ることで乗り切っているらしい、ネット界隈で人気のフモフモたんの単行本。ついにネットからリアル書店へ進出である。中味はオリンピック観戦ガイドではあるが、競技そのもの以外にいかに楽しみを見出すかという、フモフモたんらしい視点で溢れている。ふざけた感じではあるが、過去のオリンピックのエピソードやデータも盛り込まれており、以外に執筆には手間がかかっていると思われる。もちろん、女性アスリートへのエロい目線も忘れてはいない。
ここのところ有名になり過ぎた感もあるフモフモたんだが、ここからライターなんかにはならず、あくまで自虐ネタ溢れるネット住民のままでいて欲しいものである。同じネットの駄文書きとして。

初版2012/06 ぱる出版/ソフトカバー

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F-15A"IDF" Day1st

先週から簡易インジェクションキットを始めたわけですが、仕事でストレス貯めてるこの時期に、完成への道が遠い簡易をサンディングしてると、週末までストレスでヤラれてしまいそう。
というわけで、YDCCさんの「F-15祭り」へ参加すべく、サクサク作れるハセガワのキットを同時進行しましょう。お題はコレ。
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ハセガワ1/72F-15A/Cイーグルのイスラエル国防軍仕様。イスラデカールの資料を見ると、イスラエルのF-15はF-15Iラーム、いわゆるストライクイーグルでなくてもCFT取り付けてる機体が多いので、別途パーツを取り寄せてCFTを取り付けた機体を製作します。
んで、約5時間の作業で機体本体の組み立てまで(尾翼は仮止め)。
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一日で完成までの道筋が見えるキットが、やっぱオレには合ってるわ。とは言いつつも・・・

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エアインティークのパーツと胴体のパーツに大きなスキマが!これはプラ板を挟み込んで対処。何度かハセガワのF-15作ってるけど、こんな大きなスキマが開いた記憶がないんだよね。どこで何を間違ったのか(汗)。
明日もこのままF-15を進行させましょう。

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書評<小説 魔法少女まどか☆マギカ>

TVアニメの脚本を手がけた虚淵玄が監修し、ライトノベル作家が書き下ろした『魔法少女まどか☆マギカ』公式ノベライズ。構成はアニメと同じ12部だが、ほぼ主人公まどかの一人視点描かれるので、ただアニメを文章化していない点では好感が持てるノベライズ。

個人的には正直言って、アニメ本編では主人公まどかはキープレイヤーではあるものの、キャラが弱かったように思える。作品の世界観でいうところに”因果”がやや薄かった気がするのだ。それに比べてこの小説版はまどかの心の動きを細かく描写し、他のキャラに頼らずとも、クライマックスに向けての物語の盛り上がりを作ることに成功している。この点は著者のウデによるものだろう。まどかとほむらの”強さ”と”弱さ”が逆転する場面が明確になっているのも、小説ならでは。アニメとは別の魅力を持つ点で、佳作といえる。

初版2012/05 芳文社/ソフトカバー

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書評<英国軍艦勇者列伝>

艦船模型専門誌「ネイビーヤード」に連載中の、岡部いさく氏のイギリス艦艇にまつわるエッセイをまとめたもの。著者のイラストと愛溢れる文章で構成されるそれは先行する「世界の駄っ作機」と変わらないが、本書の場合はイギリス艦船の各級の開発経緯や実戦での活躍などを中心としており、正確に時系列にはなっていないもののイギリス艦船の歴史に触れることができる。

自分はヒコーキを中心とするミリオタだが、静岡ホビーショー2012にて、著者の近影に触れるとともにサイン本が欲しくて、思わずサイン会に並んで購入(笑)。艦船、特に2次大戦より前の外国艦艇の知識などないに等しいが、タイプシップの開発経緯や周辺状況などにもきちんと触れられており、初心者でも”ロイヤル・ネイビー”について楽しめるというか、学べる一冊である。艦船の命名方法や、知られざる活躍あるいは戦没経緯など、イギリス海軍独特のこだわりも興味深い。

初版2012/05 大日本絵画/ハードカバー

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書評<オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ>

世にオカルトと呼ばれるものは多種類ある。霊魂の存在、UFO、超能力などなど。本書はドキュメンタリー監督として超能力者と呼ばれる人たちに深く接したこともある著者が、それらオカルトに関わる人たちに直接取材し、あくまで主観的に分析していく。

世にオカルトの内実にせまった著書は多数あるが、本書が他と少し違っているのは、マスコミ関係者に取材し、ときには一緒に他の素材について取材している点である。オカルトブームを作り上げた人たちが当時どのように考え、今はそのオカルトとどのように付き合っているかが垣間見える点は興味深い。分析そのものについては、雑誌連載をまとめたものなので分野毎の記述は短いし、前述したようにあくまで個人の視点であり、同意できる部分もあるし同意できない部分であるが、少なくとも全否定も全肯定もしないスタンスは納得できる。
テレビや雑誌で見る著者は、傾向的に左派の人だと思ってたのだが、そういう人が唯物論とは違った価値観を持つことが少し新鮮だった。

初版2012/04 角川書店/ソフトカバー

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Mig-23PD Day1st

さて、2012年の静岡ホビーショーも終わり、プラモ製作のテーマも一区切り。新章に突入、ということでお次はコレ。

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今年も参加予定の北海道モデラーズエキシビジョンへの向けての我がクラブ、MMDの共通テーマは「試作・実験機・計画機(もしくは艦船・車両)」。タイミングよく発売されたのがARTMODELの1/72Mig-23PDです。

アメリカ海軍が低い着艦速度と高速性能を両立させるためにVG翼を研究、実用化したように、ソ連もまた、前線航空基地からのSTOL性能と高速性能を両立させるための研究を重ねていました。アメリカと違うのは、VG翼とともに、垂直方向へ推進力を使う小型のジェットエンジン(リフト・エンジン)を搭載する方式も研究していたことです。Mig-23PDはそうした機体の1つで、胴体中央に2基のリフト・エンジンを搭載しています。結局、VG翼の方が有望ということで試作にとどまりました。

「世界の傑作機」に掲載されたMig-23PDの写真を見て「どう考えてもカッコはこっちの方がイイ」と思っていたのですが、スマートなMig-21の機首エアインティークを胴体左右に移し、機首にレーダーを搭載するというのが基本的なスタイルなので、それも当然というところでしょうか。では製作開始。

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ARTMODELは詳しくは知りませんがロシア系の新興メーカー。いわゆる簡易インジェクションで、ノズルとシートがレジン。一見まともそうなランナーですが、パーツナンバーはランナーにはなくガイド参照。塗装図もカラーのわりには大雑把で、細かいところがよく分からないので参考用にハセガワのSu-27の説明書も横においてます。ここ2年間ほどまともなインジェクションキットしか作っていなかったので、簡易インジェクションはどうも勝手が違い、胴体合わせるとこまでで集中力が尽き、今日は終了(笑)。パーツに”直線”が出ておらず、”どこそこにスキマが”のレベルではないので、流し込み接着剤と瞬間接着剤を惜しげもなく使い、ガッチリ固定。
さて、この先どうなりますやら。

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書評<エリア51 世界でもっとも有名な秘密基地の真実>

エリア51とは、アメリカ合衆国ネバダ州のグルームレイクと呼ばれる乾湖を中心とする、広大な政府管理地域のことを指す。この地域は「政府が砂漠に墜落したUFOと宇宙人の死体を保管し、リバースエンジニアリングでUFOを開発している」地下施設がある地域としてUFOマニアにはよく知られている。そしてまた、U-2あるいはA-12、SR-71といった戦略偵察機の試験飛行が行われていた基地として、ミリタリーマニアにも有名である。虚実入り混じった”秘密基地”であるエリア51の真実とはどこにあるのか?近年になって機密解除された政府機密文書と、関係者への取材を積み重ねて、著者がそれを明かしていく。

まずもって断っておくと、本書は少なくとも終盤までは、まっとうな、渾身のノンフィクションである。UFOマニアにはよく知られるエリア51は、実はU-2あるいはA-12といったCIAが運用する戦略偵察機の試験飛行の拠点であり、後年はステルス攻撃機であるF-117Aナイトホークの試験も行われたエアベースであった。その秘密のベールの少なくとも一部を剥がすことに成功している。さらに”近隣地域”には原子力委員会が管理する大気圏内核実験や放射性物質の拡散試験など核兵器に関わる重要施設があり、まさにグルームレイクは”冷戦の狂気”を象徴する地域だったことを解き明かしている。
問題はその終盤である。ややネタバレになるがどうしても気になるので書く。「UFOと宇宙人の死体」うんぬんの伝説は、実はソ連の謀略であり、円盤状の飛翔体も、異型の”亜人類”も実在したと著者は関係者から聞き出したとしているのだ。ここまでほぼ実名だった取材した関係者も、この件だけは匿名である。この記述が、本書の評価を惑わせる。せっかくの渾身のルポを最後の最後のヨタ話で台無しにしていると評価すべきか?あるいは重大な新事実が明らかになったとすべきか?自分は前者として評価するが、別の捉え方もあるだろう。いずれにしろ、冷戦時代の軍拡競争と諜報戦の一幕を明かしているという点では、読んで損のない本である。

初版2012/04 太田出版/ソフトカバー

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