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書評<ゴールデンタイム外伝―二次元くんスペシャル>

三次元の女性に別れを告げ、脳内の彼女とともに生きるいわゆるオタクの大学一年生、隆哉。通称”二次元君”。脳内彼女のVJとラブラブの毎日のはずだったのだが、久しぶりに再会した幼馴染の後輩に振り回され、さらには”同類”の腐女子とは”同志”として原稿を手伝う仲になるなど、実は女性に振り回されがちな毎日。ところが、その幼馴染にトラブルが発生。二次元君の決断やいかに。

いちおう<ゴールデン・タイム>シリーズの外伝ではあるが、ほぼ独立した作品といっていいかも知れない作品。三次元のがさつな女の子との関わりを避け、妄想を頼りに現実を乗り切り、同類との触れあいに暖かさを見出すオタクの精神面に、鋭く切り込むフィクションとなっている。それが悪い、と言っているわけではない。二次元君とは対照的な、とにかくコンパに精を出す”チャラ男くん”も、ライトな人間関係を貫くことによって本当の自分に”ヨロイ”を着ているだけだと示唆することにより、どちらもそこを乗り越えなければ人間らしい信頼や愛など生まれないと看破しているのだ。なかなかに考えさせてくれる作品である。
当方、40手前のオッサンだが前作<とらドラ>を読んで久しぶりに恋愛がしたくなったわけだが、本書も何かのキッカケを与えてくれそうな作品である。著者は只者ではないラノベ作家の一人だと思う。

初版2012/06 アスキー・メディアワークス/電撃文庫

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