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書評<旅猫リポート>

猫好きの青年と、礼儀正しく誇り高い猫が、別れのための旅に出る。過去に紡いだ友人たちとの絆を思い出すように、ゆっくりとした旅に。海、山、農村、雪・・・日本の風景を巡った彼らは巡る。

<サトル>という名の青年と<ナナ>という名のオス猫が主役であるが、<サトル>視点の文章はなく、<ナナ>の視点と、各章に登場する<サトル>の友人たちの視点で描かれるすこし変わった構成の物語である。物語のはじめは<サトル>の身の上はじめ、ディテールは描かれることなく<サトル>と<ナナ>の絆が描かれ、章を重ねるにつれて物語の全体が明らかになっていくストーリーは見事としかいうほかない。読み始めると止まらなくなること請け合いである。ラストシーンとエピローグは何度も読んでしまう秀逸さだ。
残念ながら自分はペットを飼ったことがないので、その存在の大きさを実感することはできない。しかし、その絆を充分に感じさせる物語だ。ますます猫を飼いたくなった。

初版2012/11 文藝春秋/ハードカバー

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