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2012.11.12

書評<決着! 恐竜絶滅論争>

最初は突飛な仮説だと思われた隕石落下による恐竜絶滅説。だが、地学における数々の発見、そして決め手となるメキシコ湾岸の隕石落下の痕跡の発見により、この説は学会で主流となり、論争は決着が着いたと思われていた。しかし近年、火山噴火説や病原菌感染説など、別の恐竜絶滅説が復活しつつある。本書は隕石落下による仮説を再検証し、その他の仮説を論破していく。

本書に書かれている隕石落下による恐竜絶滅説は、新規の決定的な証拠が盛り込まれているわけでもなく、従来の説を補助する証拠を提示し、強化しているに過ぎない。本書で強調されている点はむしろ「正しいことでも言い続けねばならない」ということであろう。隕石落下説に対する論争は、いってみれば90年代で決着していた。だが、論争が落ち着いた後で、科学者が大きな声で異説を唱えれば、それが注目を浴び、主流であるはずの説が押しのけられていく。本書はそうならないための反論の本だ。
これは科学への疑問が増しつつある昨今において、大切な考え方であり、教訓だ。マスコミに対するアピールの仕方で、学説が翻ってはならない。正しい説を唱える人こそ、トリックスターに立ち向かうために長く戦わなければならない。科学についての姿勢を考えさせられる本だ。


初版2011/11 岩波書店/新書

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