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2012.12.23

書評<パンデミック新時代>

ウイルスや細菌による感染症は常に人類にとって脅威であった。多くの感染症に対して治療法が確立され、脅威は遠のいたように見えたが、地球規模で交通網が発達した現代は、新たなウイルスが全大陸に急速に拡散する可能性が拡大している。いわゆるパンデミックである。本書は感染症が人類とともにいかに”進化”してきたかを探っていく。そして、パンデミックをコントロールする対策を提案していく。

パンデミックの中でも、近年の脅威はやはりウイスル性疾患である。簡単に遺伝子を組み替え、さらに他のウイルスと遺伝子を”混合”する。常に進化していくウイルスに対し、現代医学の進歩が追いついていないのが現状だ。ましてアフリカの未開の地を新たに開拓していく現代は、常に新しいウイルスと人類は出会う可能性がある。本書はそうしたウイルスの特性と対策を平易に解説し、それに対する新たな対策を紹介している。
著者はパンデミックの防止に際し、楽観視の立場にあるようだ。問題は、本書のテーマとは少し離れるが、個人の意識にあると思う。死に至る感染症の多くを封じ込めて時間が経った先進国の人々は、感染症の脅威を忘れ、例えばワクチンの接種を避けるようになってきている。ワクチンに稀に副作用が発生するのは確かだが、感染症に比べれば、罹患の確立はわずかなものだ。このままでは、公衆衛生上の大きな問題になるだろう。今いちど、本書のようなパンデミックの参考書を読んで、脅威を再確認すべきだろう。


初版2012/11 NHK出版/ハードカバー

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