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2013.01.07

書評<ソフト・ターゲット>

ミネソタ州にある全米最大規模のショッピングモール、「アメリカ・ザ・モール」が正体不明のテロリストに襲撃され、多数の客を人質に占拠された。処刑を厭わない残酷さ、複雑な警備システムをハッキングする狡猾さを兼ね備えるテロリスト集団に、1つの誤算があった。歴戦の勇士、レイ・チャールズが客として居合わせたことである。果たして、政府のロー・エンフォースメントとレイは、テロリストからモールの来店客を助けることができるか?

劇中でも示唆されるとおり、映画評論家でもあるハンターなりの「ダイ・ハード」へのオマージュである。”密室”での戦闘。場違いな場所を訪れた際に、犯罪に巻き込まれる主人公。無線でそれを助ける警官。政治的な要求を掲げながら、その実は別のところにあるテロリスト。自信満々なFBI捜査官。そうした設定ゆえか、ハンターらしい謀略はやや影を潜めるものの、銃器への異常な執着や犯罪者側の心理描写などは相変わらず深い。
それと印象に残るのはテロリスト側のソマリア人男性と、レイを助けることになるソマリア人女性の対比だ。銃と暴力に酔っているろくでなしと、子供たちを知恵と勇気で守り、主人公を援護するヒロイン。銃が人を勇者にも愚か者にもさせてしまう現実が投影されている。映画化も面白そうなアクション作品だ。

初版/2012/12 扶桑社/扶桑社ミステリー文庫

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