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書評<アフガン侵攻1979-89: ソ連の軍事介入と撤退>

本書は主として、ソ連側から見たアフガン侵攻を見事に描き出した歴史書である。ソ連特有の複雑な政府組織が影響をおよぼした侵攻の経緯、ムジャヒディンとの戦闘の実相、あまり語られることのない撤退の経緯などが、アフガン戦争に関わった無数の人々への聞き取りを通して描かれる、骨太の歴史書だ。

侵攻作戦の全体像はもとより、アフガン侵攻に関わった無数の人々たちの実際を見事に描き出したのが本書である。戦闘そのものの取り扱いは思ったよりも少なく、ソ連中枢に侵攻を決意させたアフガニスタン政府の内部分裂や、ソ連の各組織の男女がどのような価値観のもと、どのように行動したかが詳しく描かれる。大局的な見地からの描写よりも、様々な立場の人間の行動を中心に描かれるので、アフガン侵攻の実相をより知ることが出来る。この種の書としては、必要以上に難解な文章でないのも好感触だ。
個人的には、ソ連の侵攻という”悪行”よりも、部族、宗教、権力、富を争って分裂するアフガニスタン国民の方が印象に残る。9.11以後の対テロ戦争もそうだが、強大な軍事力を持つ大国が悪役として描かれることが多いと思うが、とにもかくにも対立し裏切りを繰り返すアフガニスタン各民族が”平穏を希求している”とは、とてもじゃないが思えないのだ。アフリカと同じく”国民国家”という概念が通じない地域をどうやってコントロールするか、そろそろ本気で考えないといけないと感じる。貧困を解決するとか、そんな単純な問題ではないのだ。

初版2013/01 白水社/ハードカバー

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F-2A/B Day1st

お仕事で作業中に足首を捻挫。体重や年齢のせいじゃない!ノンバリアフリーの段差がある建物が悪いんだい!醜い足首の青アザを湿布で治療しつつ、三菱F-2の製作を開始。

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思い出してみると、ずいぶん前のお祭り以来、大好きな機体の割には製作をご無沙汰していたF-2。ほぼ新キットを作る感覚です。複座と単座のコンバーチブルですが、胴体接合部分に特に問題はなし。エジェクションシートのみ、ややディテールに欠けるので、レジン製の社外品を使用しています。
今回、レジン製部品含めて、ガイアのブラックサーフェサーを使用してみました。ややツヤ消しになるので、フラットブラックで下塗りすることが多い現用機の場合は、一手間省けます。「こういう便利なシロモノだったのかい!(byクラッシャー・ジョウ)」と思わず呟いてしまいました。
それと今回は先日発売された、クレオスの洋上迷彩特色セットを使用します。陽光の浴び方によって見え方が変わる空自の洋上迷彩の特色の発売は非常にありがたい。感触としては、やや明るいイメージ。個人的好みだと、黒立ち上げでちょうどいいくらいでしょうか。それと、製品の個体差か顔料の影響か、やや分離し易いので、しつこいまでに攪拌が必要な感じです。

それにしても、2機同時進行だけでえらく時間食うなあ。KWAT師匠はやはりスゴイ。

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F-15C(ZZ) Completed

先週に作業をほぼ済ませて、クリア吹いて、ハセガワ1/72F-15Cイーグル(18WG)、完成しました。

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F-15Cは1970年代の就役以来、”世界最強”の名を欲しいままにしてきた制空戦闘機。ロシア製の新世代戦闘機にも対抗するために、改良が続けられ、日本やアメリカの空を守り続けています。

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キットはハセガワ1/72の限定版をストレート組み。組みにやや難のあるディテールがややこしいダイバージェントノズルのみ、アイリス製のレジンパーツと交換しています。ハセガワのキットはスジ彫りではあるものの、すでに発売からだいぶ時間が経っているので、今の感覚でいうとかなりのサンディングが必要。特に主翼と胴体の継ぎ目消しは何度作っても鬼門です。

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塗装は沖縄の嘉手納基地に配備されている18WGの所属機を再現。80年代終わりから、アメリカ空軍のイーグルはグレーの明度が下がった新迷彩が採用されており、濃いグレーをクレオスC307とC305の調色にて再現しています。また、18WGの所属機はFCSがAPG-63(V3)というAESAレーダーに換装されていますが、外見でその違いを探すのは困難。なので、エジェクションシートに、ファインモールド製エッチングパーツのキャノピーブレーカーを取り付け、AAMはAIM-9Xを搭載してやり、”最新型”をアピールさせてやっています。もうちょっとウェザリングももうちょっと抑え目にするはずでしたが、なぜか汚くなってしまいました。

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作り始めると意外に手間がかかるハセガワの1/72F-15シリーズ。稼ぎ頭のハズなので、なんとかリニューアルしてもらえないもんかと考えてしまいました。例えば空自の近代化改修型をキッカケに、とか。甘えですかねえ。
さて、さすがにF-15の連続製作はキツイので、間に何か挟みつつ、SHSまでF-15祭りは続きます。

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北九州市制50周年記念 ブルーインパルス展示飛行に行ってきた

気温は低いものの、日差しうららかな連休の中日。部屋にこもるにはもったない天気なので、北九州市まで遠征してきました。目的は市制50周年記念イベントの一環としてゲストに招かれたブルーインパルス。ブルーにとって、今年初の公式行事とのことです。「小倉城と絡めた1枚を」とカメラを構えたのですが・・・比較的良好な写真をうpします。なお、画像は明るさを中心に加工しています。

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メイン会場となる公園ではないところにいたため、あったであろうアナウンスが聞こえず、周辺の人の動きを見てカメラを構えるので、どうしてもフレームインが遅れる。そのうえ、小倉城が近すぎてうまいこと写真に絡ませることができず。明るさをいじったところ、まあ自分基準では見れる写真になったので、まあ良しとしましょう。
最後に、小倉城周辺の点景をうp。

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坂道を登ったところに天守閣。秋の落ち葉が似合いそう。

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梅の花がちょこちょこ咲きかけてました。春までもーちょい。

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人に馴れてそうで馴れてない野良猫。めっちゃ睨んでる。

というわけで、ブルー2013年初仕事のレポートでした。何が疲れたって、快速が止まる駅までのチャリの往復が疲れました(笑)。


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書評<世界の特殊部隊作戦史1970-2011>

イラク戦争、アフガン戦争、テロとの戦いと、正規軍の大規模な戦争の生起がない時代に特殊部隊は”我が世の春”を謳歌しているが、特殊部隊はそれ以前から多くの”秘密作戦”に従事している。本書は現代戦における特殊部隊の戦闘が確立した1970年代から、ビン・ラディン殺害までの主な特殊部隊の作戦を網羅し、その流れを辿る。

本書は井上孝司氏も書かれているとおり、特殊部隊作戦の”字引”となるノンフィクションである。それぞれの作戦の内容は概略に触れるくらいで、本書を読んで興味があった作戦があれば、突っ込んだ記述のある他書を探すのが正攻法だろう。
本書を読んで印象に残るのは、アフガン戦争以降は多くの作戦が国籍が異なる特殊部隊による”合同作戦”であることである。特殊部隊が訓練などを通じて、相互に交流があることはよく知られているが、実戦でもチームを組む時代であるようだ。アメリカのデルタやSEALS、イギリスのSAS、オーストラリアのSASは言葉も同じなので問題ないだろうが、ドイツやポーランドとの合同作戦においては、チームワークなど大丈夫なのだろうか?個人的には、そこらへんが詳しく知りたくなった。

初版2012/12 原書房/ハードカバー

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書評<ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」>

韓国と中共をネットで攻撃することから始まり、ついにはフジテレビ抗議デモや、花王の不買キャンペーンなど、リアルでも存在感を持ち始めたネット右翼、通称”ネトウヨ”。本書はネット右翼の受け皿となっている”在特会”を中心に実際に取材した安田浩一氏、ネットの世界の実際に詳しい山本一郎氏、ネット右翼の攻撃対象である広告代理店出身の中川淳一郎氏の共著であり、ネット右翼の実際と、その影響力や行く末について論じている。

「ネットの情報に触れることにより、真実に目覚める」というのは、自分自身も経験があることだ。大手マスコミが報じないことに触れ、隣国の実態を知るにつけ、それらに対して攻撃的になってしまう。だが、ある程度のところまでいくと、逆にネットに溢れるデマを見分ける能力がついて「まあ、目くじら立てるほどのことでもない」というところに落ち着く。2ちゃんねるにおいて「半年ROMれ」とは、名言といっていいと思う。
ネットにはまる多くの人にとって”ネット体験の歴史”はそんなものだと思っていたのだが、どうやらそうではないようだ。初期に受けたショックをそのまま信じた勢力の一つがネット右翼であり、なまじ一部の政治家がそこに媚びるので、事態がややこしくなっている。本書では安田氏がネット右翼の抱える情報の矛盾点を突き、山本氏がユーザー調査などからネット右翼の実数を推測し、中川氏が大手マスコミの”真実”を明かすことにより、ネット右翼なるものが抱える実際を知ることができる。自分がネットをウロウロして持つ印象も、本書に書いてあることに近い。
ただ、ナショナリズムに陥っていくのを安易に貧困や失業に結びつけるのも違うと思う。韓国や中国がやってることがおかしいのもまた事実だ。それに反感持ってる人の裾野はより広いと思う。そこを見誤ると、山本氏が例示している海外のネット右翼のように、実力行使としての暴力に結びつく事態が訪れるかもしれない。ネットがどこに人を導くか、今後も推移を見守るしかあるまい。

初版2012/01  宝島社/宝島新書

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書評<ヒトラーの秘密図書館>

アドルフ・ヒトラーは読書家であった。本宅や別荘を中心に何万冊もの蔵書を誇ったが、敗戦の際に略奪され、わずか数千冊が現存するのみである。本書はその残された書籍を丹念に読み解き、また存命している数少ない関係者にインタビューを試み、ヒトラーの蔵書からヒトラーその人と思考を読み解く。

本棚に並ぶ本には、その持ち主の価値観や趣味がそのまま現れるとはよく言われること。さらに、読書の際に書き込んだメモや共感した部分を記すためのラインを丹念に拾っていけば、よりその人に迫ることができる。さらに、著名人なら著者本人からのサイン入り献本やそこに書かれたメッセージから、交友関係さえ知ることができるだろう。著者はそれを丹念に実行し、ヒトラーその人を描き出すことに見事に成功している。たんに蔵書を列挙していくだけでなく、ヒトラーが政治家として台頭していく時期、反ユダヤ思想を固めていく時期、オカルト趣味に傾倒していく時期、そして戦争中に将軍たちに戦略・戦術を口出ししていく時期と、ヒトラーが読んだ本とヒトラーの歩んだ道を見事にリンクさせていて、ヒトラーが”怪物”になっていく歴史をたどることができるのだ。
つくづく、他人の本棚を見るのは面白いと、再確認できるノンフィクションである。

初版2012/12 文藝春秋/文春文庫

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F-15C(ZZ) Day5th

昨日夜、「イランの国産ステルス戦闘機」なるものがYouTubeその他にうpされ、Twitter方面で話題になりました。日本の軍事クラスタでさえ、ツッコむポイントが多すぎて困るような動画を発表して、イランは欧州各国に対する示威的行動あるいは国威発揚になると本気で考えてるのだろうか?フシギだ。
そんなことを考えつつ、イーグルはスミ入れして小物の接着、そしてデカール貼り。

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イーグルの制空迷彩はなぜか自分の狙ったところより汚くなっちゃうのはどうしたもんだろ?デカールはキット付属のものはコーションマークが少なく、あまりにあっさりしてるので、TwoBobsの手持ちのデカールから、”NO STEP”マークなどを拝借して貼りつけてます。
デカール乾燥を待って、クリアを吹いて完成にしましょう。

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F-15C(ZZ) Day4th

中国の大気汚染の原因物質が福岡に流れ着いているようで、飛散し始めたスギ花粉とともにオレの呼吸器系を攻撃している。鼻のムズムズを抱えながらも、窓を開けてダクトを引いてF-15Cの本体塗装。

F-15Cの制空迷彩塗装は平面中心なので、塗装指示書の拡大コピーをマスキングシートにして塗装します。
まずはレドームとジェットノズル近辺のメタル部分を先に塗装してマスキング、シャドーを吹いた後に全体にクレオスC308を吹きます。

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塗装指示書のコピーを切り取って、両面テープで作ったこよりで少し浮かせて塗装面に貼りつけ。圧低めでクレオスC307とC305を8:2で混色した新しいゴーストグレーを吹きます。

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ポイントは欲張っていっぺんにマスキングして塗装しようとせずに、こんなふうに段階的にゴーストグレーを重ねていくと、かえって修正が少なくなると思います。嘉手納のF-15C、実機写真を見ると意外にキレイなのですが、ここは雰囲気重視でちょっとムラムラ仕上げ。
そんでもって細部を塗装して今日はここまで。

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塗装指示書ではC308吹いた部分もやや暗く混色したものなのですが、明度の差があまりなくなっちゃうので、あえてC308のままにしてます。もうちょいですが、焦らずにいきましょう。

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