書評<水の迷宮 (クラッシャージョウ11)>
長く内戦状態にある水惑星マルガラス。一方でマルガラスには地球外生命体の先史文明の痕跡が残されているため、銀河連合の介入により中立地帯が設けられ、先史文明の調査チームが派遣されていた。クラッシャー・ジョウのチームは調査チームの護衛として海底遺跡調査船に乗り組んでいたが、そこでいるはずのないGMO(遺伝子改変)された傭兵であるアプサラに出会うとともに、前代未聞のトラブルに巻き込まれる。
<クラッシャー・ジョウ>シリーズ、8年ぶりの新作。これだけ長続きしているレベルのスペースオペラとなると、もう主役はジョウではなく、ゲストキャラである傭兵アプサラと先史文明。彼女と先史文明のコンタクトが主題であり、彼女の冒険物語である。”意識”の移設と融合といった最近のSF必須の要素も取り入れているが、その理屈への言及は少なく、真骨頂はやはりアクションだ。オールド・ファンとしては、もう少しチーム・メンバーの活躍が読みたいところである。
初版2013/02 早川書房/ハヤカワ文庫JA
« 書評<フルメタル・パニック! アナザー5> | Main | 書評<甘城ブリリアントパーク1> »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments