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2013.03.09

書評<クルマはかくして作られる 4 レクサスLFAの設計と生産>

自動車の生産は、様々な分野の工業にまたがる裾野の広い”総合工業”であり、各パーツや工作機械まで含めてまさに日本の屋台骨を支える産業だ。著者の<クルマはかくして作られる>はそうした底辺の広い自動車の様々なパーツの生産現場と技術を取材し、詳細な写真と解説をまとめたシリーズであるが、本書はトヨタの500台限定スポーツカーである<レクサスLFA>の生産現場に特化したシリーズ最新作である。

500台限定のせいか、地方在住のせいか、公道を走っているとこをまだ見たことのないレクサスLFA。国産車なのにフェラーリ458あたりよりレアなクルマのあらゆるパーツの生産現場を取材し、詳細な写真と解説で丸裸にしていく。シリーズ前作も、その職人魂に驚嘆するしかない自動車産業の現場を知ることが出来たが、本書は最新技術のカタマリであるトヨタの”スーパーカー”の生産工程を追っているため、まさに自動車産業の最先端を知ることができる。まだ乗用車では使われていないCFRPコンポジットによるシャシー製作しかり、強靭なエンジンを支える最新の合金技術しかり。そのこだわりには凄みさえ感じさせる。自動車産業そのものの行き先に対する疑問、あるいはトヨタという会社の姿勢とスポーツカーとの関係に複雑な思いを抱く方もおられるかも知れないが、そんな思いを吹き飛ばし、日本の持つ最新技術を再確認させてくれる”解説書”である。

初版2013/03 二玄社/大型ムック

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Comments

自動車産業関係者の端くれとしては呼んでおかねばならない一冊の気がします。
いつも思うのですが、一台の車が製品として出来上がってくるのは
奇跡のような気すらします。とくに関わった人たちの気持ちや思いを考えたときに。

>ドカ山さん
正直、自分が100%この本を理解できてるとはいえないのですが(ギア関係は特に難解)、
ほんとに設計者の崇高な理念には頭が下がります。
ホント、文句ばっかり言っててはいけませんね。

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