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書評<盤上の夜>

世界には数々の盤上のこまを動かすゲームがある。そこには様々な人々の人生や価値観が凝縮される。碁、将棋、麻雀などの盤上のゲームをモチーフに、少しだけSFの要素を加えた、不思議な物語のオムニバス。

創元日本のSF分野に収まってはいるが、SFの要素、なかでもテクノロジーはほんの少ししか物語のキーにならない。キーとなるのは人間とゲームの関わりであり、ゲームが果たす役割も、それぞれの物語の中で大小様々だ。まったくバラバラの物語のオムニバスでありながら、不思議とそれに統一感があるのは、ゲームのもたらす”癒し”のせいであろう。本書の主人公たちは過酷な人生でありながら、ゲームにより、ある種の”救い”を受ける。それは例えば感動を呼ぶ種類のものではないが、それでも物語を読んだ後、何か喉の奥がスッとする感じを受ける。そんな不思議な感動のSFオムニバスだ。


初版2012/03 東京創元社/創元日本SF叢書

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