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書評<ビエルサの狂気>

世界に名を知られるサッカーの名将たちの中でも、際立って戦術マニアとして知られるのが現アスレチック・ビルバオ監督のビエルサである。戦術の完成とチームの勝利をストイックに追求するあまり、チームのフロントや選手とぶつかることもあり、毀誉褒貶が激しい人物でもある。本書はビエルサの個性を培った彼の人生をたどり、ビルバオでの指揮の模様とあわせる事により、ビエルサの真実にせまっていく。

サッカーはコーチがプレイするものではないが、それでもコーチで変わるのがサッカーである。攻守が連続し、激しい運動量で対戦相手を圧倒するチーム作りをするビエルサは、モダンサッカーを体現する監督の一人だ。彼の家族はアルゼンチンでいわばエリートであり、ビエルサだけがサッカーコーチという特殊な職業を選んだ。その生い立ちが、彼が仕事を請けるクラブの選択や、ファンの子供には親しく接しながら、仕事相手(チームフロント、選手)には厳しいという個性に現れていることを本書は示唆する。
我々が一般的なラテン系に抱きがちなイメージとは対極な几帳面さを持つビエルサが一番合うのは、我々日本人の集団なのではないかと思うのは自分だけではないだろう。戦術の浸透に時間がかかりそうなスタイルなので代表には向かないかも知れないので、彼の人生のチャレンジとして、Jリーグのどっかのチームの変革に挑んでほしいものだ。

初版2012/02  ベースボールマガジン社/ソフトカバー

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