書評<ザ・シークレット・フットボーラ―>
世界でもっとも金を集めるリーグが、イングランドのプレミアリーグである。世界上に配信されるプレミアリーグのピッチの外、すなわちロッカールームやマネージャールームではどんなやり取りがなされているのか?毎年投下される資金と、事情の複雑さが増している移籍市場とはどんなものなのか?セレブであるプレミア・リーガーたちは、そんなオフタイムを過ごしているのか?本書は匿名のプレミアリーグのフットボーラ―が、その真実を語ったとされるコラム集である。
本書にはフットボールそのものの話はほんの少ししか出てこない。「衝撃的な真実が明らかにされる」のは、上記のようにピッチ外の話だ。本コラムの連載が英国の一般紙というのがミソで、「衝撃的な真実」と言いながら専門誌を読んでいれば「どこかで聞いた話」であることも確かである。個人的に印象に残ったのはセレブとしてのフットボーラ―たちの行状と、その苦悩の方である。いわゆる”お金持ちの苦悩”がまったくもって分からないので共感することはないが、金と体力の無駄遣いとしか感じられないパーティと、その後の鬱病にまでなる苦悩の対比は、当たり前だがプレミアリーグとJリーグのあまりに遠い距離を感じずにはいられない。今現在のJリーグのサポーターとプレイヤーの距離感をとても大切にしたい。切にそう感じるのである。
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