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書評<WARLDWAR Z>

西暦20XX年、中国で発生したとされる死体のゾンビ化は瞬く間に全世界に広がった。アメリカ軍の強大な火力を持ってしてもゾンビの大群の侵攻は防げず、人類は必死に対抗する手段を探す。そして見つけたプランは、争いに巻き込まれつつある地域を切り捨てる、狂気の沙汰ともいえるものだった。人類は果たしてゾンビを一掃できるか?

近年、アメリカを中心として何度目かのゾンビブームである。映画業界はリメイク含めた新作が製作され、銃器業界もゾンビをネタにしたアクセサリーを発売している。本作はそのブームのきっかけとなったフィクションだ。作品はゾンビ戦争を生き残った人たちへのインタビューという形で構成され、人類が危機に陥り、やがてゾンビたちを押し戻すまでの物語が描かれる。よって文章表現は過激ではないものの、生き残った人類もまた狂気に堕ちねばならなかった果てしない恐怖が伝わってくる。娯楽小説でありながら、死と生き延びる狂気、どちらかを選ばなければならない苛烈な運命を戦った人たちの感情がヒリヒリと伝わってくる作品だ。

初版2013/03 文藝春秋/文春文庫

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