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書評<孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生>

大自然紹介系のテレビ番組で、砂漠のわずかな植物を大集団で襲い、深刻な飢饉をもたらすサバクトビバッタ。見たくないようで見たい絵図の一つだが、大発生するあのバッタは特別な種ではなく、ごく普通に生息するバッタがなぜか体長を増し、体色を変化させてあの大災害を引き起こす。その変化はなぜ起こるのか?本書は、大学の研究室でバッタを生育し、ひたすら比較実験を積み重ねて、バッタの不思議な生態を解き明かそうとする研究のレポートである。

本書はあっと驚く新説を披露し、読者をワクワクさせる類の本ではない。バッタに心を奪われた研究者の物語であり、地味な比較実験の記録である。本書は<フィールドの生物学>シリーズではあるが、フィールドに出るのは最終章のごく一部。あとは研究室でバッタをひたすら観察する。エサ、視界、生育密度などなど、生育条件を変えながら、データを集めていく。自分たちが”常識”としている昆虫の生態は、こうした根気のいる実験の繰り返しによって知ることができたんだと、改めて確認させられる。
バッタ研究者である著者の姿勢にも学ぶところが多数ある。業界で”常識”とされてきた論文を疑い、まずは自分で実験してみる。科学の基本だが、それゆえ、著者は様々な新たな発見を得ることができたのだろう。
たんなるバッタの研究書ではなく、様々な知見が得られる本だ。

初版2012/11 東海大学出版会/ソフトカバー

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Comments

ちょうど昨日、nhkの地球ドラマチックでバッタの足を2時間も
刺激すれば、群れるバッタに生態が変化するっての見た
ところですよ。

買っちゃうかもですよ。

Posted by: taki | 2013.08.18 at 08:36

>takiさん
かなり専門的な記述もある本ですが、昆虫という生き物の深さが分かる本です。ぜひどうぞ。

Posted by: ウイングバック | 2013.08.18 at 16:46

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