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書評<「レアメタル」の太平洋戦争: なぜ日本は金属を戦力化できなかったのか>

国家が保有する武力そのものだけでなく、工業力や人口など、大きな意味で総力戦であった第2次世界大戦。日本もその総力戦に臨んだわけだが、そもそも資源をもたない我が国は開戦時点で圧倒的に不利な状況であった。本書は、主に工業面から、日本の敗戦の原因を探っていく。

タイトルには「レアメタル」と謳ってあるが、実際には銅や鉄鋼などの「ベースメタル」も含めた、いわば”金属産業の太平洋戦争”を探っていく解説書である。
太平洋戦争開戦の直接のきっかけの一つはアメリカの石油禁輸だ。その禁輸措置に対抗するためには人口石油の生産が必要であり、人口石油の生産のためには膨大な鉄鋼を必要とした。その鉄鋼生産能力はどうあっても日本には不可能であり、石油資源確保のために、南方進出を進出せざるを得なかった。
戦争で大量に消費する弾薬の薬莢に使用する銅もまた、日本には経戦能力を維持する量を産出、精錬できなかった。様々な代用品を試みたが、どれも決定打にならない。これもまた、南方進出の要因となる。
このように、とにかく「なんで、こんな国力のままで戦争始めたの?」という例のオンパレードである。だが、それも後知恵だ。ときの内閣、軍政府は現実を受け止め、対抗策を取ろうとしていた。だが、アメリカおよびヨーロッパの資源確保への深謀遠慮は底知れなかった、ということだろう。本書を読んで、当時の軍や内閣の見通しの甘さを批判するのも結構だが、なぜそのような侮りが生まれたのか?中共がなりふりかまわず資源確保に走る今、考え直すにはいいキッカケになる本である。

初版2013/07 学研パブリッシング/ソフトカバー

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書評<この空のまもり>

強化仮想現実の実現により、世界のあらゆる場所に電子タグが貼り付けられるようになった近未来。日本は少子高齢化と政治の怠慢により産業と行政が破綻しかけており、移民とそれを排斥しようとする過激派の対立が先鋭化しようとしていた。
そんななか、近隣諸国からの罵詈雑言が溢れる日本の空の電子タグを一掃するため、ネット民が架空政府と架空軍を立ち上げた。架空軍のリーダーはニートの田中翼。良識的なネット民の集まりだったはずの架空政府は、やがてリアルの世界へ影響を与え始める・・・。

幼馴染や架空現実眼鏡など、本書に登場するガジェット自体はいわゆるライトノベルに頻出するキーワードである。だが、本書はそうしたありふれたガジェットを使いながら、少子高齢化の日本が行き着く先、ネットウヨクと称される人たちの行き着く先を考えさせてくれるノベルだ。現在、日本でもヘイトスピーチが問題になりつつあるが、それが拡大していく社会を描く。”ニートでいながら、ネット世界のカリスマ”という、ネット社会で存在しそうで存在しない、そんなキャラクターを主人公にして、現実とネットを読者に行き来させる手法は巧みだ。
著者には、ライトノベルの枠に収まらない作品を、今後もハヤカワで執筆して欲しいものである。


初版2012/10 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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F-4C ANG Day1st

10月にまとまって続く自衛隊イベントへの遠征、その後の体調不良など、2ヶ月くらい製作の手が止まっていたプラモ関係。いろいろ落ち着いてきたので、年末までに1機、完成を目指して手をつけます。
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お題はF-4CファントムⅡ。”ファントム祭り空軍編”を主催しておきながら、言いだしっぺが手をつけないのはよろしくないですし、自分の場合、2ヶ月手を動かしてないと途端にウデが鈍るので、作り慣れたハセガワのF-4シリーズでリハビリを、と。
では、さっそく製作開始。
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手順はいつもの通り。胴体上部のリベットを打ち直して前後胴体を接着。その後、左右胴体と主翼を流し込み接着剤で合体させます。
実は最近、完成後のヒケが気になるので、胴体など大型部品には流し込み系接着剤の使用を控えようしていたのですが、仮止め後の修正などが難しく、自分には向かないので元に戻しました。多少のずれは完全硬化前ならずらして調整できる、通常接着剤の方が自分には合っているようです。
さて、大晦日までに週末が後2回。ダッシュで行きましょう。

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書評<国家の興亡 ‐人口から読み解く‐>

国民国家というものが領土・国民・政府で構成されている限り、人口が国力の要となることはいうまでもない。かつては地球全体の人口増加による自然破壊や食糧危機ばかりが問題視されていたが、いまや先進国や新興国は少子化による高齢化・人口減少に悩んでいる。本書は主に安全保障の面から人口動態に注目し、今後の世界情勢を予測していく。

日本はいうに及ばず、世界の先進国は高齢化社会に悩んでいる。社会福祉の負担は現役世代に過剰な負担を強い、ひいては経済環境の悪化をもたらす。それは国力の衰退を招き、安全保障上の重大な問題となる。本書は古代ローマの歴史的事実などを取り上げながら、人口動態の変化が国家にどのような変化をもたらすかを分析している。
例えば日本。世界に先駆けて超高齢化社会になつつつあり、福祉予算が国家予算を圧迫しているが、一方で周辺国には冒険的な外交姿勢を取っている国もあり、国防予算も減額できない。だが軍と民間企業が、減りつつある若者を取り合いする時代である。結果をどう予測するか?最善のシナリオは無駄な争いを好まない”老人の政治”に落ち着くことであり、最悪なシナリオは通常戦力では安全保障を担保できないことから、核武装に進むことである。
例えばロシア。厳しい気候と政治体制から、この国では飲酒・喫煙などを要因とする健康被害が先進国とは思えないほど深刻であり、高齢化とともに国力の低下を招いている。リーダーは”強いロシアの復活”を模索するが、それを支える人口がいなくなる自体が目の前にある。現に、出稼ぎという名で、シベリアには中国の移民が押し寄せ、実質的に領土を失いつつあるといっても過言ではない自体に陥っている。
本書はこのように各国の人口動態を分析している。唯一希望的観測が成り立つのはアメリカぐらいで、その他の地域は楽観を許さない。今後の世界情勢を見ていくうえで、大変参考となる本である。

初版2013/09 ビジネス社/ハードカバー

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新田原エアフェスタ2013に行ってきたその②

新田原エアフェスタ2013のレポート後半は地上展示から。まずは注目のオスプレイ。
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オスプレイ、実物はプロップ・ローターに比べて胴体が短いので、やや寸詰まりで威圧感はなし。新鋭機なので、まだ汚れが少ないせいもあるのでしょう。この機体の前だけ2列に並んで撮影待ちでしたが、それは親切なパイロットさんが順番に子供との撮影に応じていたから。土地柄か、奇異の目を向ける人はいませんでした。メカ好きとしては、飛行展示とはいわないが、せめてプロップローターを折りたたんでほしかった。
お次は注目度第2位、301SQの40thANNIVERSARY。
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通常の訓練にも参加しているみたいなので、記念塗装がやや汚れ気味。築城の時の写真と比べると、このカラーは特に青空に映える感じなので、雲が多いのは残念。昨日、Twitterの方で話になったのですが、引退時にはぜひとも、ガルグレー&ホワイトの初期塗装時に戻してほしいものです。
次は最近では珍しい?YS-11。
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この枯れた魅力が分かる年齢になってきました(笑)。
そして最後の飛行展示はブルーインパルス。
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残念ながら雲高が低く、垂直演技が少ない短縮演技。しかしながら、最後は粋に「皆様にクリスマス・ツリーをプレゼント」などと、長玉を抱えるマニア連中を悶絶させてましたよ。ブルーの演技終了で日程終了。
今回の新田原エアフェスタはオスプレイが外来参加ということで警備が厳しかったこと、ドラマの影響か動員人数が圧倒的に増えたことが重なり、近年になく混雑した基地祭だったようです。隊員さんの苦労もひとしお、というところでしょうか。本当にお疲れ様でしたというほかありません。今後もこのような状態が続くなら、抽選で配っている基地構内の駐車券の廃止も考えた方がいいと考えます。
これにて今年の基地祭シーズンも終了。来週からは模型ブログに戻ります。

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新田原エアフェスタ2013に行ってきた その①

2013年12月1日に開催された空自新田原ABのエアフェスタに行ってきました。
今回は自分の初動が遅く、ホテルなど取れなかったことから、熊本からの観光バスツアーに便乗したのですが、ゲート前が大渋滞。それというのも、MV-22オスプレイが外来参加するとのことで注目が集まったため(主にプロ市民方面に)、一般車両はトランク開けてチェック、バスは警備員が乗り込んで持ち物チェックなど警備が厳しくなったため。おかげでゲートまでラスト3㎞はバスを降りて歩き。展示飛行に間に合わないわ、アキレス腱はパンパンだわ、散々な目に合いました。久しぶりにサヨクの皆さんにどす黒い気持ちが沸きましたよ。
そんなこんなで紆余曲折、飛行展示はかろうじて40周年記念塗装機が行う模擬射爆から見学。
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うーん、飛行訓練にも参加してたみたいだし、記念塗装機はややウェザリングあり。
お次は新田原に来たらこれは外せない、教導隊のF-15DJの機動飛行。
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画像はトリミング・加工あり。明るさは補正できるので、テレコン試してみようかなあ。
お次は築城から第3飛行隊のF-2機動飛行。
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F-2Aの機動飛行は軽快でイイ。けど、三沢のF-16CJのような、垂直系の奔放な演技も見たいなあ。
午前中の飛行展示の最後は第1空挺団のパラシュート降下。
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今回、参加した空挺隊員はほぼ九州出身だとか。本音を言えばですね、早くC-2が見たいです。
以上、午前中のレポートは終了。その②にて午後からの演技と地上展示機をうpします。

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