書評<知ってても偉くないUSA語録>
日本語と同様に、アメリカ語(とあえて表現)も流行語や新語が頻繁に生まれる。それは当世の世情をよく現すキーワードになる。本書はアメリカ在住のコラムニスト、町山智浩氏が週間文春に連載したコラムのまとめ第2弾であり、アメリカの流行語・新語を紹介し、現代アメリカ社会を斬っていく。
短いコラムながら、アメリカの現在がよく分かるコラム集。ニュース見ててアメリカの政治・経済は分かった気になっても、いわゆる中流の人々でどんな流行が起こっているのかは、なかなか分からない。本書を読めば、日本人の常識からすればいささか狂った、アメリカの社会事情を多少なりとも感じることができる。著者本人がおそらくは民主党支持のリベラリストであることから、共和党の周辺事情をくさすオチが多いのは気になるが、それもまたアメリカ的なものの見方だろう。著者のようなリベラリストと、共和党を中心とする保守派の溝は深まるばかりなのが、日本人コラムニストの文章で感じさせられるとは皮肉なものだ。
初版2014/04 文藝春秋/ソフトカバー
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