書評<戦術リストランテIII 「ポスト・バルセロナ」の新たな潮流>
サッカー雑誌<フットボリスタ>連載の戦術論をまとめた第3集。バルセロナのパスサッカー万能論への対抗策が打ち出される中、世界のビッグクラブのサッカーの戦術はどのように変化してきて、これからどうなるのか?カウンターアタックや3バックの復権など、いくつかの話題にわけ、それを探っていく。
ここ4~5年、世界のサッカーの話題はバルセロナを中心にしていたといっていいと思う。しかしながら、スペインリーグのアトレティコ・マドリードの優勝や、ワールドカップでのスペインの早期敗退を受け、世界のサッカー戦術のトレンドは変わりつつある。4バック全盛の守備、ポゼッションへのこだわりが影を潜めつつあり、最新のサッカー戦術はさらに洗練され、進化しつつある。そうした動きは先のブラジル・ワールドカップにも顕著に表れていたが、それを本書は分かりやすく解説してくれる。完璧なサッカー戦術などないし、どんな優秀な監督でも、クラブ上層部や高年棒選手のエゴを消すことなどできない。そうした面も含めて、サッカー戦術の面白さを伝えてくれる一冊である。
初版/2014/09 ソルメディア/ソフトカバー
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