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2015年もよろしくお願いします。

2014年も多くの方にお世話になりました。多くの言葉を重ねてもしょうがないので一言、2015年もよろしくお願いします。

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書評<現代アラブの社会思想 終末論とイスラーム主義 講談社現代新書>

「少数のテロリストと、大多数のイスラム教徒を一緒にしてはならない」。一般論として使われる常套句だ。しかしながら、これだけ世界の不安定要素になっていることを考えると、イスラム教への疑問を抱かざるをえないのが、”異教徒”である我々の本音ではなかろうか。本書は、日本では数少ないアラブの専門家である著者が、アラブで実際に販売されている思想書や一般書を分析し、イスラム教徒がイスラム原理主義へ向かう原因を探る。

やや古い本ではあるが、現在のアラブの不安定な状況を、思想的背景から説明しているものとして、個人的には非常に府に落ちる本であった。マスコミでよく説明される宗派対立や石油に関する利権争いとは別途として、もっと深い、思想的なところでイスラム教が抱える問題をよく説明していると思う。
筆者は本書の最初で「アラブの思想、哲学は停滞している」とする。第4次中東戦争の敗北と、エジプト大統領のナセルの死去で、民族主義と社会主義が挫折し、停滞する社会の原因をすべてイスラエルに押しつける考え方が定着する。それにコーランにある終末思想が合体し、いわゆる西欧型の民主主義と相容れない、原理主義的なものが台頭しているのである。本書の出版後に起きた、例えば世俗主義であったトルコのイスラム教への回帰や、”ジャスミン革命”の挫折も、イスラム主義への回帰が進んでいることの表れだと感じる。
新書なので、解説はややあっさりした面もあるが、アラブとイスラム教のまた別の面を考えさせられる本である。


初版2002/01 講談社/講談社新書

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書評<日本軍と日本兵 米軍報告書は語る>

戦後教育のおかげも多分にあると思うが、旧日本陸軍というと、バンザイ突撃や玉砕など、ファナティックな集団である印象が強い。準軍事的に見ても、補給をおろそかにしていた面があるなど、偏った軍隊であるイメージがある。だが、それはあくまでイメージであり、実態はどうだったのか?対峙したアメリカ軍の実戦経験を兵士に伝えるための指示書に記載された文書をもとに、分析を試みたのが本書である。

ミリオタといっても、現代戦が専門である自分にとっても、旧日本陸軍の実態は見えにくい。学校の教科書にある狂信的な集団であるという印象の一方で、海外の小説を読むと、日本陸軍兵士を「闇夜を恐れず、勇気をもったプロの兵士」として扱われていたりもする。本書は、そのイメージを完全に覆さないまでも、日本兵の行った戦闘を違った視点で見ることに成功している。
自分などは日本陸軍はボルトアクションの旧式銃でアメリカ軍に立ち向かったイメージが強いが、実際にはしっかりした陣地から機関銃で相手を制圧する”機関銃の戦争”であったことが、本書を読んで強く印象に残る。また、ネットから指摘によると、”擲弾筒の戦争”であったことも確かである。どちらにしろ、アメリカ軍の戦車には火力不足であったが。本書を読んだのちに陸上自衛隊の装備を検討してみると、ときに極端にも思えるその装備ラインナップが、戦訓というか、トラウマに支配されていることがみてとれる。
旧日本陸軍と日本兵を分析するうえで、多角的な視点を提供してくれる良書である。


初版2014/01  講談社/講談社新書

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書評<月をマーケティングする>

アポロの月権着陸から半世紀近く経ったのに、人類はまだ地球軌道に宇宙ステーションを浮かべているだけで、火星にたどり着けていない。様々な実用衛星の技術はもちろん向上しているが、”科学的な冒険”はいまだ足踏みしたままだ。その最大の原因は技術的な問題よりも、現在の宇宙技術開発を一般大衆に広報し、それに続いて「なぜ巨額な経費をかけて火星に行かなければならないのか」を納得させられていないからだ。要するに、NASAに予算がつかないのである。では、人類最大の宇宙計画であったアポロ計画の広報の実態とはどのようなものであったのか?本書は当時の貴重な画像を多数掲載し、NASAのマーケティングがいかなるものであったかを明かしていく。

「NASAの最大の任務は広報である」なんだそうだ。一般大衆にいかに興味をもたせるか?いつの時代も宇宙に夢をはせるものは多いが、より多数の庶民はもっと実利を求める。アポロ計画では、ごく一般的なアメリカ市民に、月面着陸に熱狂させることに成功した。基本的に軍と政府の組織の延長であり、秘密保持を重視していたNASAの方針を一大転換させ、情報を積極的に開示する。巧妙な広報により、宇宙飛行士たちにがヒーローであり、良き家庭人であることを印象づける。SF作家や画家の協力を得て、魅力的な宇宙の姿やロケットの美しさ、科学技術溢れる未来を大衆に想起させる。それらの努力により、”ソ連に対する競争”という背景があったとはいえ、アポロ打ち上げのための巨額の経費をNASAは得ることが出来たのである。
アポロ計画の社会的側面を詳細にすることができる、貴重な一冊だ。

初版2014/10 日経BP社/ソフトカバー

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書評<アメリカ最強の特殊戦闘部隊が「国家の敵」を倒すまで NO EASY DAY>

9.11同時多発テロの首謀者だったオサマ・ビン・ラディン。その後、アフガンやイラクでの戦争を経てもなお、オサマはアメリカの主敵であり、逃亡中であった。CIAなどの諜報機関の長きに渡る捜索活動により、ようやくアメリカはオサマの居所を掴む。そこは表面上の友好国であるパキスタン。オバマ大統領は様々なオプションを検討した結果、アメリカ海軍特殊部隊SEALの中でも、さらに精鋭であるDEVGRUの派遣を決定する。本書は2011年に敢行されたオサマ殺害作戦<オペレーション・ネプチューン・スピア>に参加した特殊部隊員本人が書き記した、その作戦の全容を記録したものである。

”戦争文学の金字塔”と大げさなオビがついているものの、映画<ゼロ・ダーク・サーティ>を見ていたせいか、<オペレーション・ネプチューン・スピア>を取り扱ったディスカバリーチャンネルのドキュメンタリーを見ていたせいか、さほど新鮮な驚きはなかった、というのが正直な感想だ。本書の著者はアフガンやイラクで特殊作戦に従事したホンモノのDEVGRU隊員であり、彼がSEALの隊員になるまでの物語も含めてもちろん興味深い。本書は出版当時、アメリカでも「極秘任務を早々に大衆に明かすとか何事か」と批判されたそうだが、完全に守秘義務に引っかかると思われるような場面は意図的に記載されていない感じが拭えない。例えば、パキスタンに侵入する際に使用したブラックホークは公表されていないステルス仕様ではないか、と騒がれたものだが、それに関する記述はない。もちろん、著者にはどんなヘリに乗ろうと果敢に現場に飛び込むことにしか興味がなかったかも知れないが、そうした物事の細部が描かれないので、非常にあっさりしたレポートに思えるのだ。<オペレーション・ネプチューン・スピア>が成功裏に終了した作戦ゆえにドラマが少なかったこともあるかも知れないが。
世界的に情報の開示と拡散が加速度的に早くなっていく現代においては、本書のような告白本の翻訳と出版のタイミングは非常に難しい。本の中身よりも、そんなことを考えさせられた。

初版2014/11 講談社/ソフトカバー

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書評<ジャスミンの残り香 ──「アラブの春」が変えたもの>

チュジニアでの独裁政権崩壊をきっかけに、アラブ各国で同時多発的に発生した民主革命や反政府運動は、3年を経て、表面的には”徒労に終わる”よりももっと最悪な局面を招きつつある。シリアでは民衆の犠牲者を多く出しながら内戦が終結する見込みはなく、エジプトでは実質的な軍事クーデターを経て、独裁的な大統領だったムバラクに無罪判決が出て釈放。さらには戦闘的なISなる集団が台頭し、国境を越えてアラブ全体の脅威となりつつある。本書は中東に様々なコネを持つ筆者が各国を取材し、ジャスミン革命と呼ばれたアラブのその後を描くノンフィクションである。

本書を強引にひと言で表現すれば「全共闘世代の見たアラブ革命のその後」であろうか。革命という言葉に一家言を持つ筆者ならではの視線で、エジプトを中心に取材し、アラブの現状をつぶさに追っている。なので、個人的にはノンフィクションではあるものの、筆者の価値観が深く入り込んだ文章で構成されたエッセイのようにも感じた。
一方で、丹念にアラブの春のその後を追うことで、日本では唐突にみえるIS(イスラム国)の台頭にいたるアラブの現状を、時系列で知ることができる。
筆者は「アラブの春」を決して徒労ではなく、権力に対して常に疑問を持ち、反抗的であろうとする若者たちの存在が常態化、その不安定さこそ、彼ら彼女らが勝ち得たもの、と結論する。権力を”絶対悪”と見なしがちな革命家ならではの思想だと思うが、現代の大方の民衆が求めているのはむしろ安定ではないか?そう思う自分は、そでに権力側に毒されているのか?自らの立ち位置を考えるきっかけにもなる本である。

初版2014/11 集英社/ハードカバー

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書評<日本‐喪失と再起の物語:黒船、敗戦、そして3・11 >

日本は黒船来航をきっかけにした実質的な”革命”から、第2次世界大戦の敗戦、奇跡の復興を果たした。しかし、バブル経済後の日本は停滞し、社会と経済の変化も見え隠れするが、一方で東日本大震災後は、他国では見ることができない「粘り強さ」を垣間見せた。幾多の困難を乗り越えてきた日本の実像を、フィナンシャルタイムのジャーナリストが分析する。

日本は考えてみればフシギな国だ。地球のプレート境界線上に位置することから、定期的に震災に見舞われる。気候も決して平坦ではない。そんな不安定な土台に立つ、エネルギーも平地の少ない島国なのに、1億2千万の人口を抱え、それなりの経済的地位にいる。また、多くの国の文化的影響を受けながら、このグローバルな時代にあっても”エキゾチック・ジャパン”をそれなりに維持している。その要因はどこにあるのか?本書は英国人ジャーナリストが政治的に右から左まで、また経済学者や文化人まで多くの人物にインタビューをすることにより、その謎の一端を明らかにしようとしている。
本書を読んで指摘できる日本のステレオタイプとは「定期的にかかる”リセット”に対して、それなりに適応できる、またそのリセットがあったから、結果的に発展してきた」ということだろうか。自然的、経済的、政治的な”厄災”に対して、喪失するものが多数あったとしても、また再起していく。近年の経済的不況とその対応にしても、無策でいたわけではなく、ポピュリスト政権の誕生や政権交代など、変化はいろいろあったのだ。それも欧米に先駆けて、の話である。
一方で、本書は日本人が自分で思っているほど、特殊な国民ではないことを指摘する。その秩序や治安は賞賛されてしかるべきだが、少なくともキリスト教圏の欧米人からすると、差異はあれど”フツーの人たち”なのである。
ごくフラットな目線を持つ欧米人から見た「日本の近現代史」として、タイトルから予想されるよりも読みやすく、体系的に歴史を理解できる良書である。

初版2014/10 早川書房/ハードカバー

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新田原基地航空祭2014に行ってきた その③

新田原基地航空祭2014のレポート、最後は雰囲気重視で撮影した地上展示機をうpしておきます。
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ジェット戦闘機は個人的にこの角度が一番好きなのです。
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朝日を浴びるF-15JとF-4EJ。絵になるなあ。なお、F-15Jは近代化改修機。最新国産ミサイルの実物、早く見たいので、そちらの配備もよろしくお願いします。
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メカ好きにはたまらない、J79のアニュラー。構造がわりとシンプルで整備しやすそうなF100(あくまで比較の問題ですよ)にはない、ターボジェットの魅力。
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来年あたりからF-35Aの導入と那覇基地の戦力拡充にともない、九州の部隊も大移動がかかる模様なので、それを惜しむ声もちょくちょく聞かれました。馴染みの部隊のマークが去るのが寂しいというのも、分かる気がします。

ともあれ、2014年の基地祭、最後の最後でフルメニューを満喫しました。入場や帰りのバス待ち渋滞も比較的スムーズで、予約の高速バスも予定どおりに乗車。久々にベストといえる週末でした。
航空自衛隊の方々も現在のホスピタリティを維持するのは大変かと思いますが、来年もまた、我々ミリオタや一般ピープルを楽しませてください。

個人的メモ
往路;12月6日 高速バス 西鉄天神13:15→18:13宮崎駅前
宿泊;ルートイン宮崎(3ヶ月前から予約可能)
復路;12月7日 高速バス 宮交バスセンター18:15→22:36西鉄天神
来年はもったいなくても、タクシーで橘通りから宮交センターに移動して始発のシャトルバスに乗ること!

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新田原基地航空祭2014に行ってきた その②

新田原基地航空祭2014のレポート、ブルーインパルスのフライトの模様をレポート。人だかりで写真を撮るどころではないウォークダウンは見るのを早々に断念。演技の模様を順不同でうpします。
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ご覧のように地上は快晴で風も緩やかだったものの、上空はかなり風が強かったようでフルメニューではなかったようですが、2回のお流れの後では大満足。来年も、素晴らしい演技を見せてほしいものです。

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新田原基地航空祭2014に行ってきた その①

九州の空自基地航空祭の最後を飾る新田原航空祭に行ってきました。芦屋では水難事故のため午後のフライト中止、築城では天候急変のためイベントが午後中止という連続アクシデントに見舞われたので、マジでアクシデントがないことを祈るのみ。
天気予報は晴れ。3ヶ月前から前泊のホテルを確保し、前日に高速バスに5時間揺られて宮崎入り。翌日朝5時に起きて朝一番のシャトルバスに乗車。なかなかに順調に進んでいたのに、基地近くの坂でシャトルバスがエンコ・・・これが今年のオレの運命か…と悲観しかけたが、ドライバーさんの必死のクラッチとアクセル操作で復活!去年はオスプレイ登場と手荷物検査でパニックだった入場も、今年はスムーズに進み、ちょうど日が昇るころに到着。
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オープニングフライトの後、まずは教育群の第23飛行隊のデモフライト。
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アフターバナーの炎がいいですねえ。
お次は203飛行隊、ファントムおじいちゃんのフライト。
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記念塗装機がフライトした昨年よりは、正直おとなしい機動だったかな?
先週、築城で満喫したF-2のデモを挟んで、さらに今年度より飛行教導隊から飛行教導群に編成が変更になったアグレッサーのフライト。
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いやあ、やっぱアグレッサーのフライトはテクニックと迫力があります。フライトしたのは茶青の迷彩、青白のスプリッター迷彩のいずれも新塗装機。特にスプリッター迷彩はカッコイイ!ハセガワさんは早急に限定キット出す義務があると思います。
そして芦屋ではデモがお流れになった三沢のF-16CJのデモ。
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スピードとパワーで押し切るフライトは圧巻!途中から、もうレンズかまえるの諦めてました。あっという間にぶっ飛んで上昇していくんだもん(笑)。
習志野の空挺団のパラシュート降下で午前中のデモは終了。ここのところ、仕事もバタバタしていたのですが、それを吹き飛ばすフライト!その②では、ブルーインパルスのフライトをレポートします。

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築城基地航空祭2014に行ってきたその② デモフライト編

築城基地航空祭2014、レポートその②はデモフライト編をうpします。
11月30日、築城基地のある築上町を含む九州は午後から降雨予想。しかも激しい雷雨もあるかも、ということで、誰もが雲とスマホの天気予報をにらめっこ。そんななか、まずはオープニングフライトから。写真はいずれもトリミングしています。
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60周年スペシャルマーキング機でデモフライト実施。何度もタッチアンドゴーのサービス。
その後、T-7とT-4の航過飛行と救難隊の展示を挟んで、F-2Aによる射爆デモ。
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続いて新田原のF-4EJが遠征してきて、機動飛行。
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やけにキレイなファントムだったなあ。IRAN直後の飛行隊が来てくれたのかも。
そしてF-15JとF-2Aの8機編隊による、大編隊飛行。
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この編隊飛行が終わった直後、雨がポツポツと。なんとも正確な天気予報(泣)。明日の仕事が5時半起きということもあり、見学はここまでと覚悟を決めていたオレは編隊飛行終了直後に基地を脱出。築城駅に着く頃には、駅で航空祭が13:00で終了とのアナウンス。雷雨も予想され、築城基地周辺の交通インフラも貧弱なので、飛行展示中止ではなく、基地祭自体の中止となったのでしょう。これで九州方面は芦屋に続いて、二連続のブルーインパルス展示飛行中止。来週の新田原こそ、快晴であることを祈念。

個人的メモ
往路 笹原5:37→5:44博多6:05→6:21小倉6:39→7:08築城
復路 築城11:18→11:47小倉11:59→12:14博多12:27→12:34笹原

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