書評<宇宙人相場>
オタクグッズを開発、販売する零細企業の社長、高野信念。病弱な女性と恋に落ちてしまった彼は、女性の父親にすすめられて在宅個人投資家の道を選ぶ。思ったより困難なデイトレーダーの現実。そこに謎のメール舞い込む。スパムメールだと思っていたそれは、彼に思わぬ運命をもたらすことになる。
端的にいえば、株価相場と金融商品のおとぎ話である。安月給のリーサラ兼ミリオタの自分にとっては個人投資家など未知の存在であるが、筆者の分かり易い説明と、主人公の奮闘のおかげで、理解できた気になる。主人公がそろそろ人生に惑う年代であるところも、個人的には刺さる物語であった。それにしてもこの著者はツンデレが好き過ぎる。
初版2014/11 早川書房/ハヤカワ文庫JA
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