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書評<私たちは今でも進化しているのか?>

アメリカの都市部では「パレオ・ファンタジー(石器時代への幻想)」を抱き、石器時代の食事や行動様式を模倣する「パレオ・ダイエット」なるものが流行しているそうである。いわく、人類は生物としての進化が文明の進化(農耕の発展など)に追いついておらず、そのことが肥満などの"現代病"を生み出している、と。我々は本当に進化していないのか?食事や家族、恋愛まで、様々な事例を捉え、我々の"進化"を検証する。

進化いうと、一般的には長い時間をかけて生物が進化する様を想起するが、短い時間で環境の変化に「適応」していくケースも多くある。本書は前記した「パレオ・ファンタジー」に反論するかたちを取り、「早い進化」を説明している。結論からすると、我々の体は想像するよりもずっと早く環境に適応している。いうまでもなくホモ・サピエンスは肌の色に関係なく交配できる単一種なのだが、ウシやヤギの乳を消化できる酵素を持つ民族と持たない民族が存在する。また、日本人は海藻を消化できる数少ない民族である。食事のこと1つ取っても、我々は進化(変化)しつつあるのだ。こうした例はもちろん人類だけではない。世代交代の早い昆虫などは、あっという間に環境に適応し、生き残りをはかっている例がまま見受けられるのだ。本書は「早い進化」を理解するのに最適な入門書である。

初版2015/01 文藝春秋/ハードカバー

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