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2015.03.08

書評<カニの不思議>

カニは海辺に住んでいる身近な生物であり、多くの民族にとっては御馳走でもある。、そして淡水から海水まで、海辺から深海まで、生息範囲が広く、そこに住むカニたちそれぞれに多くの特徴を持った生物である。本書はカニの基本的な形態の説明から生活リズム、交尾など生物学的特徴から、漁法や料理法を含めた人類との関わりまで、カニを総合的に説明する。

カニも知れば知るほど不思議な生物だ、とつくづく感じさせる一冊である。本書は意外と知られていない脱皮や幼生段階のカニ生態などを丁寧に説明する一方で、人間との関わりにも多くのページを割いている。読み進むと、極限環境である深海の熱水噴出孔から、そこらへんの海辺まで広く存在し、形態も大きさもそれぞれのカニが特徴を保ちながら暮らしているカニの特徴をしっかりと掴むことができる。
どこにでもウジャウジャいるイメージのあるカニだが、人類の食料資源となっている種類のカニは、絶滅の危機に瀕しているのもまた事実である。欧米では多くの漁業制限がかかっており、資源再生に取り組んでいる。それに比べて日本近海では…という気持ちにならざるをえないのが事実である。水産庁には本書を読んで猛省していただきたい。

初版2015/01 青土社/ハードカバー

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