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書評<6度目の大絶滅>

地球の生物史において、これまでに5度の大絶滅があったことが研究の結果、明らかになってきた。その最新のものはもちろん、小惑星の衝突による恐竜の絶滅である。
そして今、地球上で6度目の大絶滅が進行中であるといわれる。それは気候変動でも、天変地異でもなく、人類の繁栄とそれに伴う生物の乱獲、自然破壊が原因だ。地質学者たちは地質的な新たな時代として「人新世」を唱えるほど、地球環境は激変している。科学ジャーナリストである著者は、現在進行形の大絶滅の現場を取材していく。

人類は生物としてはひ弱であるが、知恵を持つゆえ地球上で繁栄した。あらゆる大陸と諸島に進出し、地上を田畑や都市に作りかえ、今となっては気候まで変動させようとしている。
だが、その代償は大きい。全世界を短時間で移動する手段を持つがゆえ、局地的であるはずの生物の疾病を全世界に伝播し、二酸化炭素を過剰に排出して海洋の酸性度を変化させるなどして、数え切れないほどの生物を滅びに追いやった。著者はその現場を実際に訪ね、世界中で繰り広げられる絶滅をレポート、警鐘を鳴らす。
だが、地質学的な時間単位で考えると、個人的には多少の違和感を残す。植物はその誕生により酸素で地球を満たし、地球環境を劇的に変えた。その他にも、ある生物の繁栄が地球に劇的な変化をもたらす事例はいくつもある。意志があるかないのかは別の問題である。人間だけが”悪役”ではない。
人類は今の地球環境に特化し、進化してきた。適応している環境を”知恵”で維持するのか?現状の”繁栄”を続け、いずれくるであろう環境の激変に”知恵”で対応するべきか?そこまで踏み込んで考えるべきが到来しつつあるのかもしれない。

初版2015/03 NHK出版/ハードカバー

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