書評<ホワット・イフ?――野球のボールを光速で投げたらどうなるか>
人類総がかりでレーザーポインターで照らしたら月の光は変わる?お茶を必死にかき回したら沸騰させられるかな?どのくらい高い空から落とせば、その熱でステーキが焼けますか?元素周期表を現物の元素のキューブを積んで作ったら何が起こる?ちょっと知恵のついた理系志向の子供が思いついたような思いつきも、元NASAの研究者が物理と数学を駆使して計算すれば、ちゃんと解答がでる!アメリカの人気のマンガ科学解説サイトを書籍化したものの邦訳版。
まずもって、解答者によせられる質問が面白い。物理学の限界に挑戦させようとする突拍子もない質問もいいし、質問&解答の間に挟まれる「著者によせられた、ちょっとコワい質問」も、本題におとらず面白い。
とはいえ、やはり本書の焦眉は著者のマジメな解答だろう。身近な物理学的な作用を、地球規模、宇宙規模におきかえるとどうなるか?たいていはオチは人類滅亡だったりするのだが(笑)。マジメさとユーモアのバランスが取れていて、なおかつ物理が学べる良書である。
初版2015/07 早川書房/kidle版
« 書評<美森まんじゃしろのサオリさん> | Main | Academy1/72 F-4J Day1st »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 書評<ベリングキャット ――デジタルハンター、国家の嘘を暴く>(2022.08.28)
- 書評<バルサ・コンプレックス “ドリームチーム”&”FCメッシ”までの栄光と凋落>(2022.05.25)
- 書評<冷蔵と人間の歴史>(2022.05.24)
- 書評<ザ・コーポレーション>(2022.05.23)
- 書評<狩りの思考法>(2022.04.19)
The comments to this entry are closed.
Comments