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書評<東欧革命1989―ソ連帝国の崩壊>


1989年は間違いなく歴史が動いた年であった。言うまでもなく、東欧諸国がソ連のくびきから解放されたのである。ソ連も東欧革命をきっかけとして、やがて崩壊に向かうことになる。ワルシャワで、ベルリンで、ブタペストで何が起きていたのか。ソ連のどのような変化が東欧に革命を促したのか?当時の政府側の人物たち、革命側の人物を通して、革命の全体像を鮮やかに描き出す。

1989年はの東欧革命はすでに多くの物語が語られていたが、本書を読むとまだまだ知らないことがある。例えば、東欧諸国の指導者を追い詰めた事案の1つが、西欧各国の銀行が貸し付けた債務の焦げつきだ。東ドイツも、ポーランドも債務の返済のため、民衆の怒りを鎮めるための行政サービスの向上のために国家予算をつぎ込むことが1980年代にはできなくなっていた。帝国の領主であるソ連に支援を求めても、そのソ連もすでに経済的疲弊は限界にきていたのである。
本書はこのような経済的側面をはじめとして、東欧革命が起きた10年くらい前からの状況を詳細に説明しながら、革命に至った経緯を追っていく。”東欧革命”と一口にいうが、その状況は様々である。その底流に共通するものを本書は明かしていく。
重厚な本だが、あっという間に読み進んでしまう東欧革命関連本の決定版だ。

初版2009/11 白水社/ハードカバー

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