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書評<未完の計画機 2 (VTOL機の墓標) >


航空雑誌<Jウイング>の連載である「未完の計画機」をまとめたものの第2弾となるのが本書だ。「未完の計画機」の中でも、VTOL機を取り扱っている。滑走路を使用しないVTOL(垂直離着陸機)はいわば航空機の理想だが、実用機のハードルは高い。本書はヘリコプターの高速化を目指した高速ヘリから一般にも想像しやすい推力変更機、特異な形状をした円盤機まで、幅広くその開発ストーリーを辿る。

航空機の形状や航空力学の研究が進み、またタービンエンジンの登場で推力を発生させる原動機の小型化・大出力化が見込まれた50年代から70年代、航空機に対する人類の夢は2つあった。高速化とVTOL実現である。しかし、重力に打ち勝って飛び上がるVTOLのハードルはとてつもなく高かった。あまたの研究者たちの独創的な発想も、実用機につながったのはほんの一部である。本書は個人のベンチャーから、大企業で華々しく計画された次世代戦闘機まで幅広く取り上げている。まさにVTOL機の屍累々といった感じだが、そこには研究者たちの個性が見えたり、現代の企業名との意外な繋がりなども見えてくる。そこが面白い。
とかく経済性が強調される現代では、新型機といっても冒険しているデザインには程遠く、意外性はまったくないのが現状だ。個性的な研究機が雨後の竹の子のようにニョキニョキと出てきていた時代は、ある意味で幸福な時代であったと感じさせていくれる一冊だ。

初版2016/01 イカロス出版/ソフトカバー

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