書評<外人部隊125の真実>
日本人も複数所属していることで有名なフランス外人部隊。フランスに有事があった際、常に最前線に配置され、実戦投入されている。勇猛果敢な部隊の様子はいくつかの著作やネットで漏れ伝わってくるが、組織とそこに所属する部隊兵としての外人部隊の実態とはどんなものか。17年在隊した日本人上級伍長が短い125のコラムで明かしていく。
先に書いたように、本書は戦闘記録ではない。いわば、日本人のためのフランス外人部隊の”案内書”だ。入隊にあたって、必要な書類といった事務的なもの、フランス外人部隊が何を重視し入隊選抜をするかといった精神的なものからはじまり、所属部隊にどのような国の人間がいるか、部隊でどのように振る舞えばいいかなど、事細かに記してある。まるで就職ガイダンスであるが、そのぶん、平時の外人部隊の様子が伝わってくる。
本書を読んで一番印象的なのは、とにかく「フランス語を勉強しろ!」ということである。日本人が何を外国人にバカにされるのかといえば、言葉らしい。著者があまり高く評価していない東欧出身の連中でさえ、2か国語がしゃべれるのは当たり前。こっちまで「第2外国語、今からでも身につけるか」と思わされる。
初版2016/03 並木書房/ソフトカバー
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