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書評<昆虫は最強の生物である: 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略>

現在、地球という惑星の支配者は人間だと我々は考えがちだが、実際には昆虫の惑星だ。種の数、バイオマスの量は他の生物を圧倒し、その生息域も極地にまで及ぶ。本書は昆虫目線で見た地球の生物史を紹介し、昆虫が長い時間をかけていかに進化してきたかを推測する。

現在の地質年代の区切りは、あくまで”人間目線”だ。あくまで脊椎動物の進化で、更新世や新生代といった用語は使用されている。本書はまず時代区分から離れるように読者に訴える。脊椎動物が陸に上がった時にはすでに昆虫がいたし、脊椎動物が空を舞うはるか前から、昆虫は地球の空を支配してきたのだ。
もちろん、昆虫にも絶滅と進化の歴史がある。人間にとって幸いなことに、巨大昆虫は現在まで生き残れなかったし、いわゆる寄生性の昆虫はいきなり今のような関係になったわけではない。地球の大陸移動と、それに伴う気象の変化は、昆虫にも試練をもたらした。そのうえで、化石年代の生き残りと、より進化した社会性昆虫や寄生性昆虫が、地球上を闊歩しているのである。本書は、いわば昆虫の進化の歴史書である。
本書の惜しいところは、非常に著者の推測が多いことだ。化石として残った昆虫は非常に少なく、そうなることは致し方ないところもあるのだが、もう少し、その推測への根拠が欲しいところだ。

初版2016/07  河出書房新社/ハードカバー

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