« 北海道モデラーズエキシビジョン2016に行ってきた その②MMD編 | Main | 書評<サッカーと愛国> »

書評<カンプノウの灯火>

FCバルセロナの強さの源泉が、カンテラと呼ばれる下部組織にあることは有名だ。10代前半からトップチームと同じ戦術とプレースタイルを叩き込まれているからこそ成立する、美しいパスサッカー。メッシはその最高傑作ともいえるが、彼らのようにトップチームのレギュラーに定着するのはほんの一握り。残りの少年たちは、様々な理由でカンテラを退団し、サッカーと離れた人生を送っていく。本書はメッシとカンテラで時間を共にした、同世代の元選手たちの現在を追う。

ユースチームの選手たちのセカンドキャリアを追う記事は、ときどき専門誌でも出会う。ほとんどは身体の成長のスピードの違い、両親をはじめとした周囲の期待に対する選手たちの苦悩を追ったものだが、本書の広がりはもっと広い。カンテラの元選手たちを追うことで、スペインとバルセロナの現在を垣間見ることができるのだ。アフリカからの移民の問題、増加するイスラム教徒との摩擦、カタルーニャ州の独立問題。さらにメッシと同世代の元選手たちには、深刻な不況と失業問題が被さってくる。現代ヨーロッパの状況が、彼ら元ユースの選手たちの人生に深く反映しているのだ。。
ありがちなバルセロナ賞賛の本ではない。非常におススメの一冊だ。

初版2016/07 洋泉社/ソフトカバー

|

« 北海道モデラーズエキシビジョン2016に行ってきた その②MMD編 | Main | 書評<サッカーと愛国> »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/3634/64151538

Listed below are links to weblogs that reference 書評<カンプノウの灯火>:

« 北海道モデラーズエキシビジョン2016に行ってきた その②MMD編 | Main | 書評<サッカーと愛国> »