書評<ビキニでエルフでマシンガン>
解体間際の旧校舎でだけ会える、清楚で美人の先輩。彼女の本当の姿は、異世界から日本の文明の産物を持ち帰るために、魔法で転生したエルフだった。主人公である”オレ”は、彼女が校舎ごと元の世界に戻るときに、その魔法に巻き込まれてしまう。そこは、若い女性のエルフ、ドワーフ、ヒトで構成されるファンタジー世界だった。彼女はその小さな国を救うため、日本から様々なものを持ち帰ったのだ。そして、主人公の戦いが始まる。
「清楚美人の先輩が実は異世界のエルフの女王で、オレは異世界に転生した戦士となる」まではありがちだが、そこで使う武器がマシンガン、んでエルフたちがビキニを纏ってて、さらには指輪物語の世界かと思わせて未来SF。さらに”ねんどいろ”まで出演。よくここまで盛り込んで、物語が破たんしないものだと感心させられるが、その疾走感で一気に読ませてしまう。オジサン読者であるワタシなどは、ダンバイン、ザブングルなどトミノアニメの様々な世界設定を背景に読みとってしまうが、それも狙いなら怖ろしい。広げた大風呂敷をたためるか、続編が楽しみだ。
初版2016/09 MF文庫J/kindle版
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