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書評<漂流>

冒険家である著者は、編集者からの提案により、過去の漂流事故について調査を始めた。そこで1994年、救命筏で37日間の漂流を生き延びた生還者の事故に出会う。取材を始めようと生還者に連絡を取ろうとしたところ、なんと生還者は再び漁に出た後、行方不明だというのだ。彼を中心に沖縄の離島の漁師の生き様を取材していくうち、知られざる遠洋漁業の栄枯盛衰に触れることとなる。

「奇跡の生還」といわれた漂流事故を扱ったノンフィクション。著者は漂流者の経歴を追うが、それは伊良部島の佐良浜という漁師たちの集落の歴史と、南方遠洋漁業の歴史を追うことにもなった。沖縄本島を中心とした、凄惨な戦争の後、漁師たちはどのような歴史を紡いでいったのか?なかでも巨万の富をもたらした、南方遠洋漁業とはどのようなものだったのか?遠洋漁業の中心にいた、佐良浜の男たちとはどのような人間たちだったのか?事故そのものと合わせて、漁業の歴史も紐解いていく、重厚なノンフィクションであり、本土でのほほんと生きている日本人とはまるで別世界の人生に、どんどんと引き込まれていく。著者の長期間にわたる取材の賜物であり、また著者の冒険家という経歴と、漂流民たる漁師たちと生き方がシンクロしたために書くことが出来た日本の漁業の歴史の一部である。

初版2016/08 講談社/ハードカバー

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書評<徹底検証 日本の右傾化>

第2次安倍政権発足のころからか、にわかに「日本社会の右傾化」が一部論者から叫ばれるようになった。東アジアの近隣へのヘイト、反戦運動に代表される左翼的価値観の衰退、保守的な価値観の復活など、確かに様々な変化があることは確かだ。では、それが”社会の右傾化”といえるのか。宗教、家族、LGBTなど価値観が分かれる分野の専門家たちが分析する。

自分自身はネット上では「ネトウヨ的な意見」を口にしていることを自覚している。なので、「日本の右傾化」なるものは「無防備都市宣言」といった非現実的な反戦主義に対する反動だと思っている。だが、本書では多くのものが学べる。我々がフツーに生きてニュースに接している限りは浮かび上がってこない、宗教的、保守的な価値観の勢力だ。本書でたびたび登場する「日本会議」がその代表であろう。いわゆるリベラル的な価値観をよしとしない人々は確かに存在し、政治に影響をおよぼそうとしているのだ。それらの知識を得られるだけでも、本書には価値があろう。
世界的に「リベラル、グローバル化」といった価値観に疑問が呈されている中で、今はまだ、さほど力を持たないそれらの”右翼的勢力”が政治に影響を及ぼしていくのか?変わる世界の中で、日本も”戦後ではいられないのである。

初版2017/03 筑摩書房/ソフトカバー

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書評<ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち>

2016年のトランプ大統領の当選により、オハイオ州やその周辺のいわゆる”ラストベルト”(錆ついた工業地帯)と呼ばれる地域の白人たちが注目されることとなった。東海岸や西海岸の都市圏の発展から取り残され、学も職もなく、底辺を生きざるをえない、古くからのアメリカ人たち。彼らのおかれた環境とはどのようなものなのか?現在は故郷を離れていわゆるエリート層に属することになった著者がその経歴と家族の物語を語ることにより、繁栄に取り残され、エリートや移民を憎む彼らの実態を明かしていく。

トランプ大統領の選挙戦の勝利が「貧困白人たちの怒り」に押されたものであったことは、マスコミなどでもずいぶんと放映された。本書はその手がかりとなるものだが、アメリカという国のかたちを改めて考えさせられる。
「分断したアメリカ社会」といわれる昨今だが、そもそも、いわゆる鉄鋼など旧来の重工業が衰退する以前も、アメリカは分断していた。家族、故郷との絆が深く、大学への進学あるいは故郷を離れて働くことが非現実的な人たち。彼らが中間層でいられたのは、工業地帯があったからだ。世界的な競争の中で重工業が衰退すると同時に、彼らは他の生き方も分からずに、貧困層に落ちていく。失業こそが、社会で一番の害悪であると理解できる。
著者は、白人たちの生き方自体も指摘する。教育がないのではない。時間を守るといった基本的な約束事を守れない、離婚と結婚を繰り返す親たちとそれを見て育つ子供たち。移民であれ誰であれ「誰かのせいにすべきではない」と著者は唱える。
アメリカの田舎の価値観を知ることが出来ると同時に、彼らの価値観の中から、教訓をえられる”エレジー”である。

初版2017/03 光文社/ソフトカバー

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熊本復興飛翔祭(予行)に行ってきた

熊本地震からはや1年。天守閣などが復旧工事中の熊本城二の丸公園で開催される復興イベントに、ブルーインパルスが飛来するというので、撮影に行ってきました。本番の日曜日は仕事なんすよね…
今日は新幹線にて熊本駅へ、さらに熊本城までポケゴー散歩しながら熊本城へ。
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仕事で週一は熊本に出入りしていますが、地震後にこの付近に来るのは初めて。崩れた石垣、工事のためにかかった鉄骨など、痛々しい風景が見え隠れしますが、イベントとあって来場者の笑顔は明るいです。
んで、しばし二の丸公園にて待機。


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市街地上空なので高度は高いだろう、と思って広角レンズ持ってかなかったんですが、予想よりは低く、公園からではハートや桜は18㎜では収まらず。ソロ含めて15分ほどの演技でしたが、観客を魅了しました。ただ、天守閣を絡めて写真撮ろうとすると、城外からの方が良かったかも、です。
工事中の熊本城を見て、もっと熊本にお金落とさなきゃ、と改めて思いました。明日も晴れるようなので、イベント自体が盛り上がればいいなと思います。

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Mig-31B FOX HOUND Completed

トランぺッター1/72MiG-31フォックスハウンド、完成しました。
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MiG-31はソ連/ロシアが防空様に運用している迎撃戦闘機。Mig-25を基として開発され、翼配置などの外見は踏襲されていますが、乗員はレーダーオペレーターを加えて2名とし、エンジンもターボファンに変更、メインウェポンであるR-33は胴体下面に密着して搭載されるなど、ほぼ別の戦闘機として生まれ変わっています。特徴的な運用方法として、搭載しているフェイズド・アレイ・レーダーをデータリンクでつなぎ、ミニAWACSとして探知範囲を拡げることができ、広大なロシア領土を守るべき能力を持っています。

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キットはトランぺッターが2月に発売した新商品。近年の同社のキットと同じく、繊細なスジ彫りと細かなディテールが再現されている良キット。ウェポンも満載ですが、まあ価格もそれなりに高いです(笑)。

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いまだに中華製キットを揶揄する方もいらっしゃいますが、気をつける点さえ抑えておけば、ストレートに組む限りはさほど苦労することもありません。自分なりに気をつける点をまとめておきます。
①組む前にまず、離型剤は必ず落とすこと。自分は家庭用洗剤にランナーごと一晩つけておきます。
②最低限の資料は必要。といってもディテールがおかしいとかではなく、説明書が不親切で、選択式のパーツやウェポンのコンフィギュレーション、細部の塗装がいまいちよく分からないので。このへんは、実機写真を参考にするしかないですね。
③パーツの嵌合の問題は少ないですが、ダボはガンプラみたいに合いません。かといって切り落とすと位置決めや強度が不安なので、仮組みしながら調整してます。
いずれも基本的なことばかりなので、現用機モデラーとしては、どんどん新商品発売してほしいところ。あとは価格だけはなんとかしてほしいかな(笑)。

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塗装はヴォイスカPVO(防空軍)所属の786IAP,3rdAD VVS”青の74”を再現。長距離迎撃用にR-33および内翼パイロンにR-40Rを搭載したコンフィギュレーションにしています。

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機体全体はフラットブラックでシャドーを入れた後、クレオスC35(明灰色)をやや明るくしたものをベッタリならないように吹いています。レドームや電波を透過させる素材だと推測されるパネル部分はクレオスC305。後は全体にスミ入れとフィルタリングして、動翼のアクチュエーター部分に油汚れを加えています。

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Mig-25に似ていながら、空力的に洗練されているディテールが魅力的なMiG-31。トランぺッターのキットは特徴をよく捉えているので、皆さんで買って、生産ロットを上げて、次の新商品は少しでも価格を下げていただきましょう。

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目達原駐屯地記念行事2017に行ってきた

年度初めからいきなりの駐屯地祭があるとのことで、佐賀県の目達原駐屯地へ行ってきました。目達原は九州のヘリ部隊の一部と、補給処の根拠地。佐賀の物産市も併催で、地元グルメも楽しめます。
ちょっと遅刻気味の現地到着でしたが、なんとかヘリの一斉離陸には間に合いました。
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んで、式典の目玉、16機編隊の祝賀飛行。
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その後は、各ヘリの訓練展示および機動飛行。
HU-1は、災害時の救難を展示。
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お次はUH-60ブラックホーク。正直、AHより身軽にヒラヒラ飛ぶのだ。
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AH-1Sコブラも2機で機動飛行。こんだけグリグリ旋回するコブラ、久々に見た気がします。
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最後はAH-64Dアパッチ。振り回してましたねえ、アパッチくんも。やはり迫力があります。
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全般的に、ヘリの機動力を見せつけてくれた飛行展示でした。朝、雲もかかっていたのでテンションがあまり高くなかったのですが、機動飛行で一気にテンションが上がりました。
帰りは佐賀グルメを少し楽しんで帰宅。温かくなってきたし、お出かけのシーズンですな。

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