書評<愛しのブロントサウルス―最新科学で生まれ変わる恐竜たち>
子供のころに恐竜が大好きだった中年のおじさんたちは、恐竜に身体、生態に関する調査研究が急速に進み、あのころ憧れたブロントサウルスがもういないことをご存知だろうか?本書は、著者が子供のころに博物館を訪れ、夢中になって見ていた恐竜たちと、最新の学説による恐竜たちの姿、生態がいかに違うかを紹介していく。
まず最初に断っておくと、訳本である本書の原著は2013年発行。4年の時間は長く、再び大型の雷竜の解釈が変わり、ブロントサウルスは復活している。いかに恐竜研究の速度が速いか、逆に仮説・定説がいかに頼りにならないかがよく分かる。
とはいっても、本書は恐竜たちの分類、身体、生態の”ほぼ”最新”の研究成果を包括的にうまく紹介している。もはや恐竜は絶滅しておらず鳥として生き延びており、羽毛がある恐竜たちの姿は定番となっている。恐竜は大きく分類して竜盤目と鳥盤目に分かれるが、竜盤目の恐竜が鳥に進化している皮肉な事実から本書は始まるが、そのこと一つとってもあまり知られない研究結果だ。断片的に新聞や科学雑誌に掲載されている恐竜たちの最新の学説を知るのに最適な一冊だ。
初版2015/07 白揚社/ハードカバー
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