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2017.06.18

書評<航空宇宙軍史・完全版 五: 終わりなき索敵>

人類が太陽系の外惑星まで進出し、さらに外宇宙に有人探査船を送るようになった時代。それは発展の時代ではなく、動乱の時代であった。太陽系で絶対の軍事力を誇る航空宇宙軍と、独立の意志を固めた外惑星国家の戦い、それは冷徹なまでに物理の世界が支配する戦い。一時代を築いたハードSFシリーズの金字塔を時系列に並べ直し、大幅加筆修正したシリーズの集大成が本書である。

一昨年から定期的に刊行されている<航空宇宙軍史>、ようやく完読しました。正直に告白すると、原版が刊行されていた当時は外宇宙に進出して異星人と戦闘するあたりで脱落したのですが、時系列順に一気読みすると、外惑星動乱を描くためには、外宇宙探査の物語が必然であったことが理解でき、緻密に作り上げられたプロットと伏線に唸ることしきりです。
本書はニュートン物理学と、相対性理論を超えることのない、冷徹な”物理の物語”であり、そこに読者は痺れました。登場するハードウェアは絶妙に想像上の産物と現在の延長線上の技術がミックスされたものであり、それゆえ冷徹でありながらも、熱い戦いが描かれました。スペースオペラと違い、映像化が極めて難しいでしょう。だからこそ、読むのが止められないノベル。著者には生きている限り、続編を書いていただきましょう。

初版2017/04 早川書房/ハヤカワ文庫JA

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