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書評<宇宙軍陸戦隊 地球連邦の興亡>

植民惑星に降りた学術調査団からの保護要請を受け、地球連邦は国場大尉率いる宇宙軍陸戦隊を救出に派遣する。そこではテラフォーミングが未完成な湿地帯で、想像だにしない内戦が繰り広げられていた。宇宙軍陸戦隊はその双方と接触した後、苦渋の決断を下す。

人類の生存をただ追求する地球連邦政府と宇宙軍。異星人たちとの睨みあいも含めた政治状況から、地球連邦政府は、ある程度の規模の”内戦”を容認していた。前作まではオリジナルとクローンの難しい関係性を描いていたが、本作はそれを超え、遺伝子をいじくり倒した人類の姿をしていない人類と、オリジナルの姿と価値観を守った内戦を描き出す。遠く宇宙に人類が進出するなかで、何をどこまで許容するのか。地球連邦の首脳あるいは現場判断を一任された宇宙軍陸戦隊の隊長になりきり読者が考えるのも面白い。凄惨な戦いを描きながら、最後はカタルシスを描き出す。

本書には、短編ではあるが「シン・ゴジラ」のパロディが収録されている。あの作品の公開時、著者が健在だったことを思うと、やはり哀しい。

初版2017/05 中央公論新社/kindle版

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