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書評<機龍警察 狼眼殺手>

量子通信を新たな通信インフラとして構築する巨大プロジェクト「クイアコン」。日本と中国の巨大企業と官僚がプロジェクトに絡み、甘い汁を吸おうとする輩が群がっていた。その疑獄を追求する捜査二課は、セクションの壁とプライドを捨てて、合同捜査を特捜部に持ち込む。合同捜査に着手した特捜部だが、次々と関係者が暗殺されていく。残されていたのは、カトリックの聖人のカード。浮かび上がってきたのは、アイルランドのテロリスト集団の中でももっとも凶悪な暗殺者だった。特捜部は疑獄と彼女に対し、どのように立ち向かうのか?”真の敵”が姿を現しつつあるシリーズ、第5弾。

量子通信でパワードスーツと搭乗員の脊髄を繋ぎ、脅威の機動性を発揮する兵器、通称”キモノ”。SFの要素と警察小説の要素が絡み合い、抜群の面白さを誇る<機龍警察>シリーズ。本作も面白い、面白いのだが、まるっきり警察小説であり、テロリスト狩りの物語である。いわゆる経済犯罪の地道な捜査と、テロリストとの追撃戦がメインであり、”キモノ”はまったくといっていいほど登場しない(笑)。”キモノ”はもちろん重要なテーマで、物語の根幹なのだが、ガジェットの1つになりつつある。次作は”キモノ”の活躍にも期待。

初版2017/09   早川書房/ハードカバー

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書評<人類はなぜ肉食をやめられないのか>


我々人類は”雑食”であり、肉も野菜も食べるが、250万年前の祖先たちは狩猟採集を中心とした生活を営んでいた。にも関わらず、肉食は現代に生きる人類にとって最大の楽しみであり、栄養源となっている。いわゆるベジタリアンの人々もいるが、その割合は欧米で約3%であり、圧倒的な少数派である。人類はその摂取量が過剰になって健康を害するまでになっても、肉食をやめられない。本書はその理由を歴史、栄養学、宗教や畜産業まで広く探り、解き明かしていく。

ベジタリアン、あるいはビーガンと呼ばれる菜食主義者の食事にも、大豆などを原料とするいわゆる”疑似肉”が登場する。宗教、健康、タブーなど様々な理由で肉を忌避する人々さえ、肉に対する愛を止められない。それが著者が本書を執筆する原点となる。人類が今の人類になるために、カロリーとタンパク質が豊富な肉は欠かせなかった。本書は肉食を人類が愛する理由を歴史から産業まで広げ、解説していく。現在ではその摂取量は少なくとも先進国では過剰であり、肉食を減らす時代にきているというのが著者の結論だ。それでなくても発展途上国の肉の摂取量が拡大して肉の価格は上がり、大量飼育される家畜は地球温暖化の原因ともなる。
しかしながら、即製飼育される豚・牛・鶏と同じカロリーを取ろうとすれば、野菜各種を大量に摂取せねばならず、ベジタリアンの生活は逆にコストがかかることとなる。世界の格差が広がる今、欧米のビーガン生活は金持ちの趣味となりつつある。著者にそのことを問うてみたい。

初版2017/06 インターシフト/ソフトカバー

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F-16C”50Years of YGMSM” Completed

タミヤ1/72F-16Cヴァイパー”50Years of YGMSM”、完成しました。
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F-16Cはアメリカ空軍で様々な任務についていますが、もっとも危険な任務の1つがSEAD、つまり対空防御網制圧です。従来、この任務については専用の電子戦装備を搭載したF-4Gが就いていましたが、現在はHTS(HARMターゲティングシステム)ポッドを搭載したF-16C Block50/52がその後継となっています。
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キットはタミヤの1/72の武器フル装備仕様をストレート組み。現用機モデラーにとってはタミヤのキットは縁遠く、ワタシも覚えてないくらいに久しぶりですが、丁寧に塗り分けるだけで抜群の出来の完成品となります。ただし、左右分割のエアインティークは実機に分割線がないだけに、ちょっと残念なところです。
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塗装はTWO BOBSのデカールを組み合わせて20thFWの”50Years of YGMSM”を再現。自らをSAMサイトに晒す危険な任務を"WildWeasel"と名付けて50年。その重みが感じられます。F-16Cはイラクはアフガンでかなりハードな任務に就き、塗装も傷んでいるため、ガイアノーツの新商品であるエナメルのウェザリング塗料「赤サビ」と「オイル」を使って、やつれた感じを強調しています。
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ベトナム戦争でSAMの脅威に晒され、急激な電子機材の発達により、次々と開発されたワイルドウィーゼルたちも、おそらくステルスの時代には専用機は生まれないでしょう。198年代中盤の航空ファン連載「くもりのち晴れのSAMハント」こそが、ミリオタの原点である自分にとっては、どうしても早く作りたい機体でした。

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書評<ゲームの王国>

1970年代前半、王政が倒れ、不正選挙による民主化が失敗して不安定な独裁が続くカンボジア。本作の主役は、農村に生まれながらも、天賦の知性を持つムンタックと、ポル・ポトの隠し子であり、流転の幼少期を過ごす少女ソリア。二人は奇しくも、クメールルージュの革命が成った日に出会った。そして2人は暗黒の時代を彼らなりに生き抜こうとする。そしてそれは、彼彼女が壮年になった時代まで続く物語の始まりであった。

「“伊藤計劃以後"という時代は本作の刊行によって幕を閉じる。」このコピーに見事に引っかかって、上下ハードカバーの本書を購入。前半はカンボジアの貧しい農村と天才少年の成長と、秘密警察から逃げ続ける聡明な少女の成長を描き、決定的な衝突までを描く。後半はときを2030年まで移し、ソリアが正しいことを為すために政権を獲る直前が描かれ、そこで脳の活動を操るゲームが登場し、物語がSFっぽくなる。
非科学的な迷信に支配された農村の、それでいて平和な生活と、クメールルージュ革命の恐怖が少年の目線で描かれる前半は非常に瑞々しく新鮮だ。どこか遠い世界の革命が音を立てて近づいていく様子は回想録を読むようである。それに対比して、後半は脳科学と政治のストーリーとなり、虐殺を生き抜いてきた男女の哀しいすれ違いが描かれ、ミステリーの要素が多くなる。様々な面を見せながら、物語は終焉に向かう。
一見散漫な登場人物と技術要素がカッチリ噛み合う物語の組み立ては見事であり、”ゲーム”という言葉に何重の意味を持たせた主題の追及も非凡さを感じさせる。最新のテクノロジーが登場しながら、バラ色の未来があるわけでもなく、現代という平原が続く様も、極端なカタルシスがないと分かりつつある”今”に相応しい物語だ。個人的には、次作はもう少しSF要素が強い物語を期待する。


初版2017/08 早川書房/ハードカバー

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IAI KfirC2 Completed

AMK1/72クフィルC2”サキ・ヴァシュタール乗機”完成しました。
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クフィルC2はイスラエルのIAIがフランスのミラージュ戦闘機を独自に改良した戦闘機。「中東戦争の勃発により、武器禁輸措置を受けたイスラエルが、ミラージュの設計図を諜報活動を通じて入手。エンジンは無理だったのでファントムのJ79を装備できるように後部胴体を再設計した。」ってのが半公式な開発ストーリーですが、悪い武器商人であるフランスは裏で設計を支援し、部品供給もしていた、なんて話もありまして、ミステリアスな戦闘機でもあります。
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AMKの1/72のキットは8月発売の新商品。21世紀にクフィルの新金型、しかもミサイルや爆弾は一発抜き、デカールはマイナー空軍までセットされているのに、価格設定が間違ってるのではないかと思うくらいに安価。現用機モデラー狂喜の新商品ですが、組み立て始めるとパーツの合いはタイトでなかなかに集中力がいるキットであります。主翼上面に主脚接着用のダボが開いていたり、謎な設計もあったりします。

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それはともかく、慎重に擦り合わせれば美しいデルタ翼のクフィルが出来上がるこのキット。せっかくの付属デカールは無視(笑)、同じく最近発売されたハセガワのクリエイターワーク・シリーズのデカールを使い、エリア88の司令官、サキ・ヴァシタールの乗機にしています。
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ハセガワのインストには旧イスラエル迷彩が指定されていますが、原作の雰囲気を出すべくクレオス特色のブラウンとイエローを組み合わせて2色の砂漠迷彩にして、フィルタリングをきつめにしています。中華製キットにハセガワのデカールと、ハセガワ信者にとっては気の引ける仕様です。
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クフィルの象徴であるカナード、発熱量の多いJ79を無理矢理詰め込んだために、増設されたアウトレットと、小柄ながらマッシブな姿のデルタ翼機、これに懲りず何機も作りたいキットです。

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